COMDEX Las Vegas 2003レポート

MobileFocusのPDAと小物たち


会場:米国ネバダ州ラスベガス市 ラスベガスコンベンションセンター
会期:11月16日~20日



 MobileFoucs/Digital Focusは、COMDEXなどの展示会前日に行なわれるプレス向けのイベントだ。ここには、各社の主要な展示製品が出展され、大手の製品なら会場を回らなくても主要な展示を先に見ることができる。

 ここでは、このMobile Focues会場からPDA関連の情報をレポートする。

●Pocket PCにもキーボード内蔵バージョン登場

 HP4350/4355は、初めてキーボードを内蔵したPocketPC。

 Tungsten CやTreo 90などのような外観で、本体の下1/3ぐらいがキーボードになっている。従来のPocket PCをそのまま下に伸ばしたプロポーションだ。

 Pocket PCでは240×320ドットの液晶を使うのが普通だから、液晶のサイズを変えなければ、キーボードをつけるためには下に伸ばすしかないわけだ。液晶を小さくすると、操作がやりにくくなるし、また今度は、横幅も小さくなってしまう。

HPのh4350/4355。親指で入力する小型キーボードを内蔵したはじめてのPocket PC。無線LAN、Bluetoothを内蔵する。400MHzのXScaleプロセッサを採用。メモリは64MB
オプションの1.3Mピクセル(130万画素)デジタルカメラユニット。SDIOで接続する オプションのBluetooth GPSユニット。BluetoothにはまだGPSのプロファイルがないので、シリアルとして接続する

 米国では、双方向ページャをベースにした「Blackberry」というキーボード付き通信端末が流行り、それを受けて、Palm系ハンドヘルドは、キーボード内蔵機種がかなり登場した。というわけで、その波がようやくPocket PCにもやってきたわけだ。メールやWeb機能を最初から持っていたPocket PCだけに、メール端末に使う人も多く、また日本ではクラムシェルタイプのキーボード付き機種が流行っていたという下地もあるので、この機種、日本でも発売されれば人気が出るのではないだろうか。

 実際に入力してみたが、両手で持ち、親指で押すスタイルでは、まあまあの感じ。隣のキーを押しそうな不安感はあるが実際には、押してしまうことはない。

 またHPは、オプションとして1.3Mピクセル(1,280×1,024ドット)のSDIOカメラユニットや、Bluetooth接続GPSユニットを用意している。とくに1.3Mピクセルのデジタルカメラユニットは、マニュアルフォーカスではあるものの、PDA用の外付けカメラとしては高解像度だ。PDA用は、ほとんどのカメラアダプタがVGA解像度(640×480ドット)であり、画像メモとして使う場合でも、解像度がやや足りなかった。1.3Mピクセルなら、かなり実用的に使えるだろう。

 Bluetooth接続GPSアダプタはOEM製品のようだが、これでようやくメーカー純正オプションのBluetooth機器が登場した。PocketPCでBluetooth機能を内蔵する機種は少なくないのだが、いままでは携帯電話くらいしか接続できるものがなく、あまり使われているとはいえないのが実情。このような形で、メーカーが周辺装置を出していくことで、Bluetoothも利用率が上がるのではないかと思われる。


●片手で入力可能なFlogPad

gennumのForgPad。15個の文字キーと5つのシフトキーで片手入力を可能にする。大きさは、PDA程度。左上のコネクタはUSBのミニコネクタ。シフト状態と緑のキーを文字キーと同時押しすることで4つの文字を1つのキーに割り当てている

 Frogpadは、片手で入力できるように設計されたキーボードだ。1つのキーに5つ4つの文字が割り当ててあり、記号、数字のシフトロックキーと、左下のキーと文字キーの同時押しを使い分けることで、15個の文字キーでアルファベット、記号、数字の入力が可能になっている。

 上の段の真ん中の文字キーには、「R」、「*」、「B」、「=」、「8」の5つの文字が割り当ててあり、そのまま押せばR、緑シフトキーとの同時打鍵でB、記号シフトロック状態でそのまま押せば「*」、緑シフトキーとの同時打鍵で「=」となる。また、数字シフト状態では、「8」となる。同時打鍵がちょっと面倒な感じもするが、親指シフトユーザーならあまり違和感を感じないはず(筆者がそうなので)。

 現在は、USB接続のキーボードが製品化されているが、Bluetooth版も計画されている。


●その他の製品

ViewSonicのPocket PC「V36」。SDIOスロットを持ち、オプションのIII 802.11b SDIOカードを使うことで無線LANが利用できるようになる。また、背面には、記録解像度640×480ピクセルのデジタルカメラを装備している
NVIDIAのGoForce Megapixel Handheld Media Processorを使ったMiTACのMIO Pocket PC Sierra Wirelessの「Voq」。携帯電話のテンキー部分を横に開くとフルキーボードが現れる tomtomのBluetooth接続GPSレシーバーとナビゲーションソフトウェアのキット。PDAを固定しているのはオプションのカーマウントキット
ソニーのMicro Vaultの新製品。128MBのUSBメモリとMemory Stick Proのアダプタが一体になっている。USB 2.0対応で、Memory Stick Proの高速転送モードに対応している LogitechのBluetoothキーボード、マウスのセット「diNovo Media Desktop」。フラットなキーボードと、メディア操作が可能で液晶ディスプレイを装備したMedia Pad、ワイヤレスマウス、およびBluetooth Hubからなるセット。Bluetooth Hubは、USB接続するBluetoothアダプタ兼マウス充電台。マウスとBluettoh Hubのセットも販売されている。このBluetooth Hubは、携帯電話やヘッドセットとの接続が可能。携帯電話が着信すると画面にメッセージを表示させたり、PCの音声出力をヘッドセットで聞くなどが可能

□COMDEXのホームページ(英文)
http://www.comdex.com/
□MediaLive Internationalのホームページ(英文)
http://www.medialiveinternational.com/
□関連記事
【11月17日】COMDEX Las Vegas 2003前日レポート
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2003/0704/key3.htm

(2003年11月18日)

[Reported by 塩田紳二]


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