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Iomega、容量1.5GBのリムーバブルメディア「DCT」の仕様を明らかに
~バックアップ向けメディア「RRD」も公開

11月10日 発表

 米Iomegaは10日、リムーバブル記憶装置2機種を発表し、2004年第1四半期より順次出荷開始することを明らかにした。

 7月に発表されたコンシューマ向けリムーバブルメディア「DCT(Digital Capture Technology)」のほか、大容量リムーバブル記憶メディア「RRD(Removable Rigid Disk)」の仕様が公開された。


●小型リムーバブルメディア「DCT」

ドライブ(中央)とメディア(右)。手前に見えるのはPCカードタイプのメディア
・出荷時期:2004年第2四半期後半

 DCTは、Click!メディアと同サイズの小型リムーバブルメディア。1.8インチの磁気ディスクを採用し、記憶容量は1.5GB。回転数は3,600rpmで、転送速度は6~7MB/sec。メディアの価格は約10ドルで、PCカードタイプ(約149ドル)のものも用意される。

 PCカードスロット用の記憶デバイスのほか、ビデオカメラやポータブルビデオプレーヤーなどのコンシューマ家電などもターゲットにしているという。

 メディア挿入時のみヘッドを接触させる仕様で、非使用時に1,000G、使用時でも200Gの耐衝撃性能を持つ。対応ドライブとして、IDE接続の内蔵型や外付けインターフェイスを備えたモデルなどがラインナップするという。

 デベロッパ向けには既に出荷開始されており、コンシューマ市場向けには2004年第2四半期後半より出荷される。出荷より2年後には2倍の記憶容量、4年後にはさらに2倍の記憶容量を想定している。また、容量1GBのCF型や3GIO対応製品も予定されている。

 パートナー企業として、富士写真フイルム(メディア)、シチズン時計(ドライブ、モーター)、TDK(ヘッド)、Texas Instruments(ASIC)を挙げている。

メディア挿入状態。ヘッドが動作しているのが見えた DCTの仕様


●大容量リムーバブル記憶メディア「RRD」

RRD
・出荷時期:2004年第1四半期

 RRDは、リムーバブルタイプの磁気記録メディア。2.5インチHDDをベースとしており、転送速度が13~22MB/sec(平均約18MB/sec)と高速なことが特徴。回転数は4,200rpmで、平均シークタイムは12ms。2004年第1四半期の出荷を予定している。

 記憶容量は35GBで、圧縮時は70GBの記録が可能。DATなどのバックアップ用テープメディアの代替を想定している。簡単なバックアップソフトと障害復旧ソフトが付属する。また起動ドライブとしても使用可能な「Boot&Run」機能を搭載し、メインドライブ故障時もOSを再起動することなくバックアップドライブでの復旧が行なえる。

 メディアは密閉型のカートリッジで提供され、非使用時には塵が入らない形状となっている。ドライブも3つのチャンバー(弁)を備えた専用のもので、クリーンルームを装備する。動作時には空気フィルタリングによって、メディアに付着した塵を除去することで、塵の進入を最小限に抑える。

 サーバーやデスクトップPCのバックアップメディアやNASアーカイブ、監視カメラシステムなどでの利用を想定している。

 パートナー企業として、Excelstor(ドライブ)、TDK(ヘッド)、Texas Instruments(ASIC)を挙げている。

RRDを手に解説するのはBusiness Development New Technologies担当副社長のScott Sheehan氏 RRDの内部構造


●OEMで国内にも普及を

社長兼CEOのWerner Heid氏
 発表に伴ない、都内で発表会が開催された。

 社長兼CEO(President and Chief Executive Officer)のWerner Heid氏は、「ここ数年は、大企業が市場を成長をさせてきたが、今後は中小企業やホームユースが市場を牽引していく」と切り出した。

 この理由として、「ブロードバンド環境の普及とともに、より多くの企業のネットワーク化が進んでいる。これによりデータを活用する機会が増えており、バックアップする手段としてストレージが着目されている」と解説した。

 「ワールドワイドでは、強いブランド力と知名度で高い評価を得ているが、日本国内での評判はそれほど高くない。しかし、OEMという形で日本市場に浸透させていきたい」と意気込みを語った。

 また、「今回の2製品は、既存の部品を使用することで、量産時でのコスト低下が見込める。消費者にとって、より使いやすいものとなるだろう」とした。

□Iomegaのホームページ(英文)
(11月10日現在、この件に関する情報は掲載されていない)
http://www.iomega.com/
□関連記事
【7月23日】Iomega、記憶容量1.5GBの超小型リムーバブルディスク「DCT」
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2003/0723/iomega.htm
【'98年12月18日】Iomega、Clik!を米国で発売、日本は'99年第1四半期に
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/981218/iomega.htm

(2003年11月10日)

[Reported by yosida-s@impress.co.jp]


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