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マイクロソフト、Media Center Edition 2004発表
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各社のMCE 2004搭載機 |
10月15日発表
マイクロソフト株式会社は15日、家庭用のデジタルエンターテイメントPC向けOS「Windows XP Media Center Edition 2004」(MCE 2004)を発表した。
MCE 2004は、米Microsftのビル・ゲイツ会長兼CSAが、2002 International CESの基調講演において「Freestyle」として公開したOS。2002年7月に「Windows XP Media Center Edition」の正式名称が与えられ、同年9月には米、カナダ、韓国でOEM出荷が開始された。
●AV機器のように操作するMCE 2004
MCE 2004はWindows XP Professionalをベースとしており、同OSと同じように使うことができるが、MCE 2004独自の機能として、TV/ラジオの視聴や録画/再生、DVDコンテンツやPCに取り込んだ静止画/音楽の鑑賞などのための統合アプリケーションを備える。
統合アプリケーションは、MCE 2004搭載PCに付属するリモコンの緑色のボタンを押すことで起動し、リモコンだけですべての操作が可能。これにより、居間などでPCから離れたソファに座ったまま、AV機器を操作するようにMCE 2004搭載機を操作することができる。
また、統合アプリケーションのすべての機能はシームレスに動作し、ユーザーが機能の切替を意識しなくてもいいように設計されている。たとえば、CDを聴きながら、画像を取り込み、閲覧する、といったことが、統合ソフト上のみで可能になっており、ユーザーはCD用のアプリケーションやデジタルカメラ用のアプリケーションの起動や切替、終了といった操作をしない。
MCE 2004搭載機はTVチューナ/エンコーダーチップの搭載や、リモコンの装備が義務付けられる。日本では富士通、東芝、NEC、デルコンピュータ、ソーテック、日立製作所、エムシージェイ(マウスコンピュータ)、ビジュアルテクノロジーがMCE 2004搭載機を発表、発表会場に実機を展示した。各製品の詳細については、それぞれの記事を参照されたい。
●新たなビジネスを生み出すプラットフォームとしても期待
MCEは機能拡張可能なプラットフォームでもある |
MCE 2004では、オンラインで新たな機能やコンテンツを拡張したり、サービスを利用することもできる。サードパーティーによる拡張も可能で、新たなビジネスを生み出す可能性を秘めた、デジタルエンターテイメントのプラットフォームとしての役目も負う。
米国ではすでにオンラインコンテンツなどのサービスが開始されているが、日本ではSDKの準備が終わったところとした。
マイクロソフトの関係者は、ハードウェア、ソフトウェア、サービスなどの各分野のパートナーと協力してMCEのプラットフォームを発展させ、新たなビジネスを生み出していく姿勢を強調している。
●DRMや地上波デジタルなどには柔軟に対応
デジタルエンターテイメントを扱う上でデジタル権利保護(DRM)や、地上波デジタル放送への対応は欠かせない問題だが、MCE 2004ではこうした点について、「搭載機メーカーの設定にまかせる」との姿勢を明らかにしている。一方で、DRMや地上波デジタル放送に様々な実現方法が登場しても対応できる拡張性を確保したとしている。
MCE 2004では、対応する音楽や映像のフォーマットも、様々なものに対応可能としており、多様な実装方法やフォーマットが存在する現状を、柔軟性のあるプラットフォームで乗り切る。
このような柔軟性は、独自のフォーマットで囲い込みを図るAVメーカーらの製品とMCEの、差別化ポイントとも位置付けられている。
●人を中心とした、“見えないPC”に近づく
発表会ではマイクロソフトのマイケル・ローディング代表取締役社長(米Microsoft 副社長)、米Microsoftの古川享 副社長らがMCE 2004の概要を、デモを交えて説明した。
ローディング社長は「Windowsのインターフェイスはどちらかといえば仕事向きで、デジタルエンターテイメントなどの楽しみには向かなかった」とし、MCE 2004の狙いを「間単に、使いやすく」と説明するなど、インターフェイスの変更を大きなトピックとしてあげた。
古川副社長は、PCが技術やデバイスを中心としたものから、体験や人を中心としたものに変化していくとした。後者を「eXPerience Computing」と呼び、MCE 2004を「PCやOSを意識せずに、いつでもどこでも机に縛られることなくeXPerience Computingを体験できる」とした。
さらに古川副社長は、MCE 2004搭載機メーカーの1つ、ビジュアルテクノロジーの技術本部長が元アスキーの西和彦氏であることに触れた。古川副社長が'70年代にアスキーにいた頃、「いずれはPC同士がつながり、人と人をつなぐメディアになる。PCの姿は見えなくなり、人の知覚能力を変える存在になる」という内容のコラムを書いたことを紹介。MCE 2004を「(見えないPCに)近づいたプラットフォーム」と述べた。
●新たなビジネスを生み出すプラットフォームとしても期待
ローディング社長(左)と古川副社長 | Personal Computingから、人間中心のコンピューティング「eXPerience Computing」 |
ゲイツ会長もビデオメッセージを寄せ、MCEにかける意気込みと、パートナーとの協調姿勢を表した | 発表会にはMCE搭載機メーカーからも出席 |
発表会にはMCE 2004搭載機メーカーも出席、各社がそれぞれの搭載機をアピールした。
この中で最初に登壇したソーテックの山田雅彦 営業本部 部長は「MCEは高性能なハードウェアを要求するため、高価格になってしまいそうだが、ソーテックは普及価格で発表する」と述べ、同社の低価格路線をMCEでも堅持することを表明した。
□マイクロソフトのホームページ
http://www.microsoft.com/japan/
□ニュースリリース
http://www.microsoft.com/japan/presspass/detail.aspx?newsid=1730
□関連記事
【8月6日】NEC/富士通など5社が、Windows XP Media Center Edition搭載PCを秋に発売
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2003/0806/ms.htm
【2002年7月17日】MS、Freestyleの正式名称を「Windows XP Media Center Edition」に
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2002/0717/ms.htm
(2003年10月15日)
[Reported by tanak-sh@impress.co.jp]
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