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ATI、国内でRADEON 9800 XT/9600 XTの説明会を開催
~Half-Life 2はSTEAM経由でリリース当日にダウンロード可能に

10月3日 発表



 ATIテクノロジーズジャパン株式会社は3日、DirectX 9対応の新GPU「RADEON 9800 XT」と「RADEON 9600 XT」の説明会を開催、加ATI TechnologiesのToshi Okumura氏(Senior Manager, Market Development Group Desktop Discrete Graphics)が両製品の詳細について解説した。

●オーバークロック機能を標準搭載

 RADEON 9800 XT/9600 XTは、それぞれ同9800 PRO/9600 PROの改良版で、コア/メモリクロックが向上している。加えて、9600 XTは消費電力に優れた低誘電(Low-K)層間絶縁膜技術を採用している。

ATI TechnologiesのToshi Okumura氏

 Okumura氏はまず、新GPUの性能について説明。同氏によれば、RADEON 9800 XTは、DirectX 9ベースのゲームにおいて、NVIDIAのGeForce FX 5900 Ultraに対し40%以上高速。中でも、RADEON 9800 XT搭載カードに無償提供される「Half-Life 2」においては、約2.5倍高速だという。

 このような差が出る理由についてOkumura氏は「これらのゲームではピクセルシェーダーの性能が重要となるが、GeForce FX 5900 Ultraが1クロックあたり4つのピクセル処理しか行なえないのに対し、RADEON 9800 XTは8つの処理ができるため」と説明した。

 このベンチマーク結果は標準の状態で計測されているが、RADEON 9800 XT/9600 XTには「ATI OVERDRIVE」と呼ばれる動的なオーバークロック機能を搭載。チップに内蔵されたサーミスタがチップの温度を計測し、チップに余裕がある場合、9800 XTなら412MHzから435MHzまで、9600 XTなら500MHzから550MHzにまでコアクロックが引き上げられ、さらに性能が向上する。

 ATIでは、これらの最高クロックでの確実な動作をチェックしてから出荷しているため、水冷クーラーなど強力な冷却機構を備えたサードパーティ製ボードであれば、常時最高クロックで動作できるとしている。なお、コアクロックは標準クロック以下に下がることはない。

RADEON 9800 XT搭載カード。ファン、ヒートシンクとも大型化しているが、ファンは低回転になっている。また、ファン回転数はチップ温度に合わせて動的に変化する ヒートシンクはカバーで覆われ、ダクト状になっている ボード裏面にもヒートシンクが実装されている
各ゲームでのRADEON 9800 XTとGeForce FX 5900 Ultraの性能比較 同じくRADEON 9600 XTとGeForce FX 5600 Ultraの性能比較 会場では実機によるデモも行なわれた。GeForce FX 5900 Ultra搭載マシン(左)とRADEON 9800 XT搭載マシン(右)で「Tomb Raider」のデモプログラムを同時に実行。写真は、RADEONマシンの方が先に終了し、すでにWindowsデスクトップ画面に戻っているところ

●Half-Life 2はダウンロード提供

Half-Life 2を動作させる上での最適なビデオカードとして、ATIはValveと共同マーケティングなどを行なう

 ボードよりも後に発売されるため、その提供形態が注目されるHalf-Life 2だが、これはHalf-Life 2の開発元であるValveが運営するプログラム配信システム「STEAM」経由で提供されることが明らかになった。

 製品に添付されるクーポンにはHalf-Life 2のレジストレーション用キーが印刷されており、これを入力することで、Half-Life 2のリリース当日にインターネット経由でゲームがダウンロードできるようになる。ゲームはフル版が提供され、シングル/マルチいずれもプレイできる。

 蛇足だが、Half-Life 2はCD版では3枚組となっており、リリース当日のダウンロードにあたっては相当なアクセス負荷が心配されるが、STEAMではまず、ゲームの序盤だけをダウンロード。その後、ゲームを進めるに従って、残りの部分を逐次ダウンロードする仕組みとなっているため、Valveでは問題なくダウンロードできると説明しているという。

●国内では10月中旬頃から順次発売

ASUSTekのRADEON 9800 XT搭載カード

 製品のリリース時期は、米国ではRADEON 9800 XT搭載カードが来週から発売され、日本ではそれから約1週間遅れで登場する予定。RADEON 9600 XT搭載カードは10月の第3週~第4週の予定。

 ATIテクノロジーズジャパンは9月に、自社ブランドのRADEON搭載ビデオカードの販売停止を発表しており、国内ではサードパーティ製品のみが発売される。

 米国でのATIブランド製品の実売価格はRADEON 9800 XTが499ドル程度、9600 XTが200ドル程度となっているが、Okumura氏によればサードパーティ製品の方が安くなる見込みだという。

 ATIでは、サードパーティに対し、完成したカード、GPUのみ、のいずれでもOEM提供を行なっており、サードパーティによっては独自の基板構成や、冷却機構を備えたものなどが発売される見込み。

□ATIテクノロジーズジャパンのホームページ
http://www.ati.com/jp/
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【9月11日】ATI、日本市場での自社製RADEON搭載カードの販売を停止
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2003/0911/ati.htm

(2003年10月3日)

[Reported by wakasugi@impress.co.jp]


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