業界初の8倍速DVD+R書き込みに対応したDVD±R/RWドライブ「PX-708A」
〜4GB超のデータをわずか8分強で記録可能



PX-708A

 昨年あたりから低価格化・高機能化が進んだことで、急速に普及が進んでいるのが、DVD-R/RWドライブやDVD+RW/Rドライブに代表される記録型DVDドライブである。記録型DVDドライブのトレンドが、対応メディアの増加と記録速度の向上である。

 今回は、世界で初めてDVD+Rへの8倍速書き込みを実現したプレクスターのDVD±R/RWドライブ「PX-708A」を入手したので、早速紹介していきたい。



●規格策定前に独自に8倍速書き込みをサポート

 プレクスターのDVD±R/RWドライブ「PX-708A」は、業界初のDVD+Rへの8倍速書き込みを実現したことが最大のウリである。記録型DVDドライブの記録速度は、CD-R/RWドライブと同様に、1倍速から2倍速あるいは2.4倍速、そして4倍速と向上を続けてきたが、8倍速記録に対応した製品は、現時点でPX-708Aのみである。

 一口に記録型DVDといっても、DVD-R、DVD-RW、DVD-RAM、DVD+R、DVD+RWという5種類のメディアが存在するが、PX-708Aでは、DVD-RAMを除く4種類のメディアをサポートする。ただし、8倍速記録が可能なのは、DVD+Rのみで、それ以外のメディアについては最大4倍速または2倍速での書き込みとなる。

 PX-708Aが業界に先駆けて8倍速記録を実現した理由は、規格が正式に策定される前に、独自に8倍速をサポートしたためだ。PX-708Aが発表されたのは2003年7月10日であるが(製品出荷は9月中旬以降)、DVD+Rへの8倍速記録が追加されたDVD+Rの物理フォーマット規格の最新バージョン「DVD+R Physical Specifications Version 1.2」の策定が発表されたのは、2003年7月18日である。

 なお、PX-708Aは、プレクスターの記録型DVDドライブとして初めて、DVD+RW/Rだけでなく、DVD-R/RWもサポートしたDVDデュアルドライブである(旧製品のPX-504Aは、DVD+RW/Rドライブのみサポート)。また、DVD+Rへの書き込みが高速なだけでなく、CD-RやCD-RWへの書き込みも、それぞれ最大40倍速、最大24倍速と高速なことも評価できる。

【表1】PX-708Aがサポートする記録型DVDメディアと最大書き込み速度
メディア最大記録速度
DVD+R8倍速
DVD+RW4倍速
DVD-R4倍速
DVD-RW2倍速

 PX-708Aは、ATAPI対応の内蔵型モデルであるが、ブラックベゼルタイプの製品やIEEE 1394/USB 2.0両対応の外付けモデル「PX-708UF」も10月中旬に発売される予定である。付属アプリケーションも充実しており、CD/DVDライティングソフトの「B's Recorder GOLD7 BASIC」(BHA製)とCD/DVDパケットライトソフト「B's CLiP5」(BHA製)、初心者向けDVDオーサリングソフトの「PowerProducer 2」(サイバーリンク製)、DVDプレイヤーソフトの「PowerDVD 5」(サイバーリンク製)がバンドルされている。

PX-708Aのフロントベゼル。ブラックトレイをうまく活かしたデザインだ プレクスター製ドライブではお馴染みのブラックトレイを採用 DVD+RW、DVD-R/RW、CD-RWの3つのロゴが並んでいる
PX-708Aの背面。空気穴は開いているが、ファンは装備していない 右がPX-708Aで、左がアイ・オー・データ機器のDVR-ABN4。奥行きはほぼ同じだ
使いやすいCD/DVDライティングソフト「B's Recorder GOLD7 BASIC」がバンドルされている PX-708Aのドライブ情報。DVD-RAM以外の記録型DVDメディアをサポートする
付属するDVDオーサリングソフト「PowerProducer 2」のメインメニュー。ウィザード形式で作業が行なえるので、初心者でも簡単にDVD-Videoが作成できる PowerProducerでは、DVD-Video以外にVideoCDやSuper VideoCDなどを作ることもできる


●8倍速記録時はメディアの品質に注意

 PX-708Aは、他社に先駆けて8倍速書き込みをサポートしていることが最大の魅力だ。そこで、DVD+Rの8倍速書き込みの性能を検証するために、以下のテスト環境で、合計4.17GBのファイル(フォルダ数1,299、ファイル数15,391)を書き込むのにかかる時間を計測することにした。

 なお、比較対照用として、アイ・オー・データ機器のDVD±R/RWドライブ「DVR-ABN4」(最大4倍速)を用意し、同様に書き込み時間を計測した。ライティングソフトとして付属のB's Recorder GOLD7 BASICを用い、オンザフライ方式で直接メディアに書き込みを行なった。また、書き込み時間は、セッションクローズの時間も含めて計測している。

 なお、PX-708Aで、DVD+Rへの8倍速書き込みを行なうには、利用するメディアに注意が必要だ。前述したように、DVD+Rの8倍速記録は、まだ規格が策定されたばかりであり、リコーは2003年第4四半期に8倍速対応DVD+Rメディアを発売することを発表しているものの、現時点で正式に8倍速書き込みに対応したDVD+Rメディアは存在しない。

 そこで、プレクスターでは、PX-708Aで8倍速書き込みを行なう場合の推奨メディアとして、リコー、三菱化学、太陽誘電の3社の4倍速対応DVD+Rメディアを挙げている(詳しくは、http://www.plextor.co.jp/products/px708/img/708aMediaList.pdf を参照のこと)。

 ここで注意したいのは、プレクスターが推奨しているメディアでも、必ず8倍速書き込みが可能だとは限らないということだ。本来4倍速までにしか対応していないメディアに対して、8倍速で書き込むわけなので、メディアの品質のバラツキによって、正常に書き込みができない可能性がある。

 そこで、PX-708Aでは、書き込む前にメディアの品質をチェックする「PowerRec」と呼ばれる機能を搭載しており、このチェックをパスしたメディアにのみ、8倍速で書き込めるように設計されている。このため、推奨メディアであっても、8倍速書き込みには不適切と判断された場合は、自動的に4倍速で書き込まれることになる。

 なお、推奨メディアでも、8倍速書き込みができない場合があるということについては、パッケージの外側に貼られたシールでも明らかにされている。

パッケージの外側に、推奨メディアでも最高速での記録ができない場合がある旨のシールが貼られている 今回用意したDVD+Rメディア。左からリコー(推奨メディア)、TDK、イメーション、Xcitekの製品。全て4倍速対応である
4倍速対応のDVD+Rメディアをドライブに入れると、書き込み速度で8倍速/4倍速/2.4倍速が選択できる 2.4倍速対応のDVD+Rメディアの場合は、2.4倍速書き込みしか選択できない

 そこでここでは、DVD+Rメディアとして、プレクスターが推奨しているリコー製メディア(DRD-4XCWCR10)以外に、TDK製メディア(DCD+R47PWN)とイメーション製メディア(DV+R 4.7PPW)、Xcitek製メディアを用意して、それぞれ書き込みテストを行なってみた(全て4倍速対応メディア)。

 8倍速書き込み推奨メディアであるリコー製DVD+Rメディアをドライブに挿入すると、書き込み時に、8倍速が選択できるようになる。ただし、前述したように、推奨メディアを利用して8倍速を選択したからといって、常に8倍速で記録されるわけではない(ちなみに、PX-708Aの8倍速記録は、ZoneCLV方式を利用しているため、内周側1/5は6倍速のCLVで書き込み、外周側4/5は8倍速のCLVで書き込まれる。そのため平均では7.7倍速程度になる)。

 今回の検証でも、最初に推奨メディアであるリコー製メディアを利用して、8倍速書き込みを選択したのだが、4.17GBのファイルの書き込みに14分46秒もかかってしまった。8倍速なら8分強で記録が完了するはずである。つまり、この場合は、PowerRecのチェックをパスしなかったため、自動的に4倍速に落とされて記録されたということになる。

 そこで、リコー製メディアをもう1枚用意して同様に8倍速を選択して書き込んだところ、8分23秒で書き込みが完了した。今度は、確かに8倍速で記録されたようだ。念のため、もう1枚のメディアでもテストをしたが、こちらもほぼ同じ8分台前半で記録が完了した。最初にテストした1枚がたまたまハズレのメディアであったようだ。

 今度は推奨メディアではない、TDK製やイメーション製、Xcitek製メディアを利用してテストを行なってみたが、これらのメディアでも、B's Recorder GOLD7 BASICで、8倍速書き込みの選択が可能であった。書き込みにかかった時間は、TDK製とイメーション製メディアは8分台後半であったが、Xcitek製メディアは10分27秒と、リコー製メディアに比べてやや時間がかかってしまった。10分27秒でも、4倍速書き込みに比べれば明らかに高速なのだが、やはりメディアの品質によっては、自動的に書き込み速度が遅くなることがあるようだ。

 このように、PX-708AのDVD+Rへの8倍速記録は、やや強引ともいえる方法で実現しているため、メディアの品質によって、記録時間が変わるなど、若干の不安は否めない。しかし、PowerRecによって、メディアの品質が低い場合は、自動的に書き込み速度を落とすようになっているため、書き込みミスが生じる可能性は低いと思われる。実際に、今回書き込みを行なった全てのメディアは、他のDVD-ROMドライブで正常に読み出せることを確認した。

【ファイルの書き込みにかかった時間】
ドライブメディア書き込み速度合計4.17GBのファイル
(フォルダ数1,299、ファイル数15,391)
PX-708ADVD+R(リコー製推奨メディア)8倍速8分23秒
PX-708ADVD+R(リコー製推奨メディア)8倍速(ただし実際は4倍速相当で書き込まれた)14分46秒
PX-708ADVD+R(TDK製メディア)8倍速8分38秒
PX-708ADVD+R(イメーション製メディア)8倍速8分46秒
PX-708ADVD+R(Xcitek製メディア)8倍速10分27秒
PX-708ADVD+R(リコー製推奨メディア)4倍速14分35秒
PX-708ADVD+R(リコー製推奨メディア)2.4倍速23分50秒
PX-708ADVD+RW4倍速17分13秒
PX-708ADVD+RW2.4倍速24分23秒
PX-708ADVD-R4倍速15分5秒
PX-708ADVD-R2倍速29分37秒
PX-708ADVD-R1倍速59分5秒
PX-708ADVD-RW2倍速29分41秒
PX-708ADVD-RW1倍速59分2秒
DVR-ABN4DVD+R4倍速14分14秒
DVR-ABN4DVD+R2.4倍速23分13秒
DVR-ABN4DVD+RW2.4倍速23分26秒
DVR-ABN4DVD-R4倍速14分39秒
DVR-ABN4DVD-R2倍速28分43秒
DVR-ABN4DVD-RW2倍速28分42秒
DVR-ABN4DVD-RW1倍速56分27秒

【テスト環境】
CPUPentium 4 2.40B GHz
マザーボードGIGA-BYTE GA-8INXP(Intel E7205搭載)
メモリPC2100 DDR SDRAM 256MB×2
ビデオカードRADEON 9800 PRO(ビデオメモリ128MB)
HDD日立GST Deskstar 180GXP IC35L060AVV207-0 (60GB)
OSWindows XP Professional SP1a


●書き込み速度を重視するヘビーユーザーにはおすすめ

 PX-708Aは、独自技術によって、他社に先駆けて8倍速記録を実現したDVD±R/RWドライブである。4GBを超えるファイルを8分台で記録できるという圧倒的な高速性は、頻繁にDVDへの書き込みを行なうヘビーユーザーにとっては、非常に魅力的であろう。

 正式に8倍速対応メディアが出ていない現状では、メディアを選ぶという問題はあるが、今後8倍速対応メディアが登場したあかつきには、ファームウェアのアップデートによって、それらのメディアに正式対応する予定とのことなので、より安定した8倍速書き込みが可能になることが期待できる。

 DVD+Rへの8倍速記録をサポートしたドライブは、今後、ソニーなどからも登場する予定であるが、現時点では正確な発売時期は明らかにされていない。2倍速や4倍速対応の記録型DVDドライブのユーザーで、書き込み速度に不満を持っているのなら、PX-708Aに乗り換える価値はあるだろう。

□関連記事
【7月10日】プレクスター、業界初の8倍速DVD+R対応DVD±R/RWドライブ
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2003/0710/plextor.htm

バックナンバー

(2003年9月26日)

[Reported by 石井英男]


【PC Watchホームページ】


PC Watch編集部 pc-watch-info@impress.co.jp 個別にご回答することはいたしかねます。

Copyright (c) 2002 Impress Corporation All rights reserved.