COMPUTEX TAIPEI 2003会場レポート【マザーボード編】

Canterwood-ES/Hance Rapids搭載製品が展示
~ASUSTeK製DDR2対応Athlon 64用マザーボードも


会場:TWTC Exhibition Hall 1
   TWTC Exhibition Hall 2
   TWTC Exhibition Hall 3
会期:9月22日~26日(現地時間)


 今回のCOMPUTEXでは、いわゆる“リーク的”マザーボードはほとんど見受けられない。しかし、中には未発表チップセットを搭載したマザーボードを堂々と展示しているメーカーもあった。


●未発表のCanterwood-ESとHance Rapids

 Intelの次世代Pentium 4である「Prescott」に対応したワークステーション向けチップセット「Canterwood-ES(コードネーム)」チップセットを搭載したマザーボードが、わずかながら展示されていた。

謎のチップセット「Hance Rapids」。これはTyanの製品に搭載されていたもの

 Canterwood-ESは、Intel 875P(コードネーム:Canterwood)とほぼ同等の機能に加え、PCI-Xに対応するもの。Intelは同チップセットの開発開始を発表しているが、正式なリリースはまだされていない。

 表立ってこのCanterwood-ES搭載マザーボードを展示していたのはTyanのみ(型番:S5112)。しかし、Gigabyte Technologyが展示していた“Canterwood”搭載マザーボードとされる「GA-8IKHXT」は、PCI-Xを備えており、実際はCanterwood-ESを搭載しているものと思われる。

 いずれの製品もCPUソケットはμPGA 478で、現行のPentium 4(Northwood)と、Prescottに対応するという。そのほか、PCI-Xスロット×2、Gigabit Ethernet×2、オンボードビデオチップなどを備え、ワークステーション向け仕様となっている。

 Gigabyteの担当者によると、GA-8IKHXTは今後1~2カ月で出荷開始されるという。

 またTyanのS5112には、ICHの代わりにIntel製の「Hance Rapids」と呼ばれるチップが搭載されている。Hance RapidsはICHを拡張したものなどと噂されているが、その詳細な仕様は不明。Hance Rapidsは、DFIのIntel 875P搭載マザーボード「G4H875-N」にも搭載されていた。

TyanのCanterwood-ES/Hance Rapids搭載マザーボード「S5112」 DFIのIntel 875P/Hance Rapids搭載マザーボード「G4H875-N」
Gigabyte Technologyの「GA-8IKHXT」。スペック表のチップセットを見ると、“Canterwood-”の後が手書きで黒くつぶされているが、仕様からCanterwood-ES搭載製品と思われる


●DDR2対応Athlon 64用マザーボードをASUSTeKが展示

 ASUSTeKは、“Year 2004 Conceptual Motherboard”と題して、DDR2-667などに対応するAthlon 64用マザーボードのプロトタイプを展示していた。

 9月23日(米国時間)に発表が予定されているAthlon 64は、プロセッサ内部にメモリコントローラを内蔵するが、対応メモリはDDR400までで、DDR2対応を謳うこのマザーボードはさらに将来のAthlon 64用マザーボードということになる。

 展示品にはCPUクーラー、メモリ、ビデオカードなどがつけられており、一見するとワーキングサンプルのようにも見えるが、細かいチップ類は一切実装されておらず、全くのプロトタイプでしかない。

 しかしこのマザーボードの説明書きには、Serial ATA2対応、PCI Express X32対応など具体的な仕様が掲載されており、2004年のAthlon 64プラットフォームをうかがい知る上で興味深い展示と言える。

ASUSTeKが展示していたDDR2対応Athlon 64用マザーボードのプロトタイプ


●発売が期待されるPentium M用マザーボード

 Pentium Mは、CPUは単体発売されているものの、それを利用するマザーボードは一般に市販されておらず、Pentium MデスクトップPCを自作することはできない。

 しかし、会場でEpoxや、COMMELLなどが、デスクトップPCでの利用を想定したと思われるPentium M用マザーボードを展示。これらが市販されるかどうかは不明だが、Pentium Mを搭載した小型の静音PCなどを自作したいと考えるユーザーには注目の製品と言える。

COMMELLのIntel 855GV搭載Pentium M用マザーボード「LV-670M」 COMMELLのIntel 855GM搭載Pentium M用マザーボード「LV-671」
EpoxのIntel 855GM/E搭載Pentium M用マザーボード「4MTS2B」 AEWINのPentium M用マザーボード「AW-EM751」


●RADEON 9100 IGP搭載マザーボードが複数社から展示

 ATI TechnologiesのPentium 4用ビデオ統合チップセット「RADEON 9100 IGP」は、すでに6月に発表されたものの、日本の市場には搭載製品はまだ出回っていないが、会場でいくつかのメーカーが展示を行なっていた。

CP TechnologyのRADEON 9100 IGP/IXP 200搭載マザーボード「A300M/DLV」 ASUSTeKのRADEON 9100 IGP/IXP 200搭載マザーボード「P4R800-VM」 ASUSTeKのRADEON 9100 IGP/IXP 150搭載マザーボード「P4R800-V」
FICのRADEON 9100 IGP/IXP 200搭載マザーボード「P4M-RS300」 BIOSTARのRADEON 9100 IGP/IXP 150搭載マザーボード「P4ARA」


●その他

 そのほか、珍しいマザーボードとしては、TyanがXeon-MPを4基搭載可能なマザーボード「S4521」を、DFIがISAスロット×2を備えたIntel 845E搭載マザーボード「G4E620-N」を展示していた。

TyanのXeon-MP 4wayマザーボード「S4521」。チップセットはServer Works Grand Champion HE DFIのIntel 845E搭載マザーボード「G4E620-N」。ISAスロット×2を備える

□COMPUTEX TAIPEI 2003のホームページ(英文)
http://www.computex.com.tw/computex2003/

(2003年9月23日)

[Reported by wakasugi@impress.co.jp]


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