Intel Developer Forum Fall 2003 会場レポート

PCカードの後継規格「ExpressCard」
〜USB 2.0/PCI Expressベースで転送速度が向上


ExpressCardでは,ウサギをイメージしたロゴが採用された
会場:McEnery Convention Center, San Jose, 米
会期:9月16〜18日(現地時間)


 Intel Developer Forum(IDF) Fall 2003では、PCカードの後継となる「ExpressCard」の詳細が公開された。具体的な仕様としてExpressCard Standard 1.0が策定され、具体的な製品開発がスタートする。

 仕様策定の中心になったのは、JEIDAとともに現在のPCカードの仕様を策定したPCMCIA(Personal Computer Memory Card International Association)。ここでは、IDFセッションの資料などを元にその概要をレポートする。


●ExpressCardとは?

ShowCase会場に展示されていたExpressCardのプロトタイプ。右端のカードがExpressCard/54で、CFカードのアダプタになっている

 PCI Expressを使った新しい拡張技術として作られたのがExpressCard。かつてNewCardと呼ばれていたもので、現在のPCカードの後継となる技術だ。とはいえ、基本的には薄型のカードを使うという点だけが継承され、インターフェイスや機械的な部分での互換性はない。

 主な用途は、従来のPCカード同様にモバイル機器を想定されているが、必ずしもモバイル機器に限定しているわけではない。コンシューマー向けのデスクトップ機器などでも使われる可能性がある。

 そもそもPCカードはISAバスをベースに作られ、その後PCIと同等のCardBusとなったもので、転送速度などの点でそろそろ限界がきている。PCIバスのほうがPCI Expressに切り替わるので、それに合わせて新しく作られたのが、ExpressCardというわけだ。

 ExpressCardは、USB 2.0もしくはPCI Expressでカード側と接続する。このため、ExpressCardが搭載されるのは、この2つのインターフェイスを装備したハードウェアとなる。それぞれのコントローラがすでにマザーボード上に置かれているため、特にExpressCard用のコントローラを用意する必要がない。この点で従来のPCカードよりも、PC本体側のコストを削減することができる。なお、ExpressCard自体は、原理的には現行のUSB 2.0対応機器をベースに作れる。

 ただし、PC本体側のExpressCardスロットには、電源状態検出や電源のON/OFFなど、若干のサポート回路が必要となる。従来の使い勝手を継承して、ExprssCardではホットスワップが可能になっているためだ。

 なお、現時点では、PCI Expressの接続は1レーン分のみである。

現時点でのExpressCardの仕様や検証のスケジュール。今回のIDFでExpressCard Standard1.0が公開され、来年後半には製品が登場する予定だという ExpressCardスロットの信号線。簡単な電源切り替え用チップのみで、コントローラを使わずにマザーボード側と接続ができる


●2種類のサイズが用意されるExpressCard

 ExpressCardモジュールには、幅が34mmの「ExpressCard/34」と、54mmの「ExpressCard/54」の2つがある。ExpressCard/54は、現行のCFカードのアダプタや、小さくできないHDDモジュールなどを入れたりするため、現在のPCカードと同じ幅の54mmにしてある。しかし、コネクタ部分はカードの片側に寄っており、ExpressCard/34と同じ大きさになっている。

 厚さは5mm、長さは最低75mmと規定されている。現時点では、PCカードのような厚さの違うタイプは存在しない。現在のPCカードは長さが85.6mmだから、ExpressCardモジュールはPCカードのコネクタ分ぐらい短くなっている。

 ExpressCardの厚みは5mmと規定されており、スロットには、最低でも6mmの高さが必要となる。これでも現在のPCカードスロットよりも2mm程度薄くなっている。小型機器や薄型ノートブックに対して配慮されているのだ。

ExpressCardモジュールのサイズ。34mm幅と54mm幅のものがある。長さ、厚さは同じ ExpressCard/54用のカードスロットプロトタイプ。こちらには、ExpressCard/34が装着されている ExpressCard/34カード(SDカードアダプタ)とスロットのプロトタイプ

 カードのコネクタと反対側のフチ(スロット挿入時に外側になる部分)には、取り外し時に指をかけるためにCFカードのような突起がある。取り外しは、ユーザーが手で行なうこともできるし、PCカードのようにイジェクトレバー/ボタンを使用してもいい。

 対応するスロットも2種あるが、ExpressCard/54用のスロットには、ExpressCard/34を装着できる。

 PC本体側には、最低でもExpressCard/54スロットが1つあることが想定されいる。これにより、34、54のどちらも装着することが可能になる。メインストリームの機種では、2つのスロットを用意することが推奨されている。

 カードに供給される電源は、3種類あり、3.3Vが2種類と1.5Vである。3.3Vの片方は、いわゆるUSB 2.0用の電源ラインを継承したもの。

ExpressCard/54モジュール用のスロットを正面から見たところ。34mm幅のモジュールがコネクタに正しく挿さるようにガイド(奥の白く見える部分)がついている モジュールの取り外しは、モジュール外側の突起部分を使ってユーザーが手動で外すかもしくは、単純な取り出しレバーのようなものが推奨されている 電源供給に関する仕様。 電源は3.3Vと1.5Vの2つと、外部供給用の3.3Vの合計3つ。また、モジュールの発熱量はExpressCard/34モジュールで1.3W、同/54で2.1Wとなっている

 カード側は、USB 2.0、PCI Expressのどちらのインターフェイスで接続してもよい。PC本体のスロット側には必ず両方のインターフェイスがあるため、カード側のインターフェイスの違いは問題にならない。

 対応したチップセット(もしくはインターフェイスデバイス)が利用できるようになれば、PCI Expressへの対応が可能になる。当初はPCI Expressを必要としないカードもあるだろうが、そのうち、大量のデータを転送するなどインターフェイスの高速性を生かした製品が登場することになると思われる。

□IDF Fall 2003のホームページ(英文)
http://www.intel.com/idf/us/fall2003/index.htm

(2003年9月19日)

[Reported by 塩田紳二]


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