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アドビ、ムービー埋込機能などを備えた「Acrobat 6.0」
~Acrobat ReaderはAdobe Readerに改称

5月16日より順次発売

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 アドビシステムズ株式会社は15日、PDF文書作成管理ソフト「Acrobat」の新製品「Acrobat 6.0 日本語版」を発表した。今バージョンからAcrobat 6.0 Professional、Acrobat 6.0 Standard、Acrobat Elementsの3製品が用意され、ProfessionalとStandardは7月4日から、Acrobat Elementsは5月16日から発売する。

 また、無償のPDFビューア Acrobat Readerも6.0にバージョンアップされるが、今バージョンからは「Adobe Reader 6.0」に改称された。

●ターゲットを絞った3製品を展開

 同社では3製品の展開について、PDFが電子文書のデファクトスタンダードとなり、個人の用途から企業や官公庁などでのエンタープライズ用途まで広がったことを背景に、ユーザー層を3つにわけ、各々の要望に応えるとしている。

 Acrobat 6.0 Professionalはビジネス、エンジニアリング、クリエイティブ分野のプロユーザー向けと位置付けられており、AcrobatのPDF管理・作成の全機能を備える製品。価格は54,800円で、アップグレード版は19,500円。Windows版とMacintosh版が用意され、対応OSはWindows NT 4.0/2000/XP/Tablet PC Edition、Mac OS X 10.2.2以降。

 Acrobat 6.0 Standardは一般ビジネスユーザー向けとされ、PDFの作成、レビュー(校正)機能にフォーカスされた製品。Professionalからは、エンジニアリング分野の特定ファイル形式対応機能や、クリエイティブ分野向けの高度な印刷機能が削られている。価格は34,800円で、アップグレード版は12,500円。Windows版とMacintosh版が用意され、対応OSはWindows 98SE/NT 4.0/2000/XP/Tablet PC Edition、Mac OS X 10.2.2以降。

 Acrobat Elementsは大量導入向けの廉価版。StandardからOCR機能やレビュー機能が削られている。また、Windows版のみ用意され、対応OSはWindows 98SE/Me/NT 4.0/2000/XP。1,000本以上のライセンス販売のみとなり、システムインテグレーターなどを通じて販売されるため、価格は明らかにされていない。

Acrobat 6.0 Professional Acrobat 6.0 Standard 3製品の位置付け

●レビュー機能とマルチメディア機能が充実

 Acrobat 6.0の主な新機能と強化点は、Officeとの連携機能、企業内などで文書を回覧し注釈を入れるレビュー機能、マルチメディアファイルの埋め込み機能など。

 Officeアプリケーションとの連携では、Word、Excelなどのファイルを結合する機能や、Internet Explorerで閲覧中のページをPDFに変換する機能、PDFからWord、Excelへ文書を書き出す機能が搭載された。

 レビュー機能では、注釈の一覧を見やすくしたほか、注釈の入った文書をWordで修正する機能、Acrobatから直接メールで文書を送信できる機能などが搭載された。また、スタンプに自動的に日付や校正者名を入れることができる「ダイナミックスタンプ」や、シャチハタのスタンプイメージなども装備される。

 マルチメディアファイルの埋め込み機能は、PDF文書内に動画や音声データを埋め込めるようになった。従来はQuick Time動画へのリンクを埋め込めるだけだったが、今バージョンでは動画や音声ファイル自体をPDFファイル内に取り込めるほか、対応形式もMP3、Flash、Real Media、Windows Mediaが追加された。

 このほかPDF文書の検索機能も強化されており、AcrobatからGoogleでインターネット上のPDF文書を検索する機能や、OCR機能が搭載された。OCR機能により、スキャナで読み込んだ文書の画像から文字データを抽出でき、文字による文書検索が可能になる。

複数のOfficeファイルをバインド。Word、Excelなどを混在させることができる 校正から戻ってきたファイルで、注釈を一覧したところ。「至急」スタンプはシャチハタ製 動画を埋め込んだ文書。マニュアルを動画で補足できる

●組込機器とPDFの組み合わせで、新たなビジネスを

左からAdobe Systemsのアイヴァン・クーン シニア・バイス・プレジデント、ACCESSの荒川社長、Adobe Systemsのチゼン社長、石井社長

 ブランドをAcrobatからAdobeに変更したReaderは、今バージョンでも無償提供される。ダウンロード開始は6月中旬。同社では改称の理由を、PDF文書はAcrobatだけでなく、「PhotoshopやIllustrator、InDesignなどのアプリケーションで作成できるため」としている。

 新機能はAcrobat 6.0に順ずるが、Adobe Reader独自の強化点として、これまでeBook Readerで提供されていたeBook閲覧機能の統合があげられる。また、同社の画像管理ソフト「Photoshop Album」で作成したスライドショーを再生する機能も搭載された。

 同社は15日、Acrobat 6.0の発表会を都内で開催した。Adobe Systemsのブルース・チゼン社長兼CEOや、アドビシステムズ株式会社の石井幹 代表取締役社長らとともに、携帯電話や家電向けの組込Webブラウザベンダーである株式会社ACCESSの荒川亨 代表取締役社長兼CEOが出席した。ACCESSとAdobe Systemsは4月に業務提携しており、ACCESSの組込ブラウザにPDF閲覧機能を搭載すると発表している。

 荒川社長は「PDFは(携帯電話などの)小さな画面でも、製作者の意図どおりの文書を閲覧できる」と述べ、組込機器とPDFの組み合わせで新聞や雑誌のオンデマンド配信などを実現できるとした。また、PDFのセキュリティ機能と組込機器により、電子チケットや電子領収書としての用途も提案した。

●エンタープライズ志向を強めるAcrobat

 チゼン社長はAcrobatについて「ERP、CRMなどの基幹システムと文書技術のバランスをとり、人々が情報を理解し、行動がとれるようにする」と述べ、エンタープライズ用途での有効性を強調。また、石井社長は、エンタープライズ分野でのパートナーシップや採用事例を紹介し、エンタープライズ分野へのAcrobatの採用を呼びかけた。

□アドビシステムズのホームページ
http://www.adobe.co.jp/
□ニュースリリース(Acrobat 6.0)
http://www.adobe.co.jp/aboutadobe/pressroom/pressreleases/200305/20030515acrobat6.html
□ニュースリリース(Collection)
http://www.adobe.co.jp/aboutadobe/pressroom/pressreleases/200305/20030515collections.html
□関連記事
【4月8日】米Adobe、PDF作成ソフト「Acrobat 6.0」英語版3製品発表(INTERNET)
http://internet.watch.impress.co.jp/www/article/2003/0408/acrobat6.htm
【2001年4月11日】アドビ、ネットワーク機能を強化した「Acrobat 5.0 日本語版」
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/20010411/adobe.htm
【4月8日】ACCESSとアドビ、携帯機器でPDFファイルを利用可能に(ケータイ)
http://k-tai.impress.co.jp/cda/article/news_toppage/13519.html

(2003年5月15日)

[Reported by tanak-sh@impress.co.jp]


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