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ニューコア、デジカメ用イメージプロセッサ「CleanCapture」
~ノイズとファイルサイズ削減が可能に

5月14日発表



 ニューコアテクノロジー株式会社(ニューコア)は14日、デジタルカメラ用画像処理プロセッサ「CleanCapture」を発表した。すでにサンプル出荷が開始されており、搭載製品が2003年第3四半期より出荷される予定。価格は明らかにされていない。

 CleanCaptureはアナログフロントエンド「NDX1260」と、デジタルバックエンド「SiP1270」の2つのプロセッサで構成される。同社では2001年に第1世代製品「NDX1250」と「SiP1250」を発表しており、今回の製品はその第2世代にあたる。第1世代製品は松下電器産業株式会社の200万画素コンパクトデジタルカメラ「DMC-F7」や、日本ビクター株式会社の業務用デジタルビデオカメラ「GY-DV300U」、「GY-DV5000U」に採用された実績がある。

NDX1260 SiP1270 CCDからの出力を処理し、ストレージ等に出力するのがCleanCaptureの役割

●75Mピクセル/secの処理能力で、動画と静止画の融合商品も

 NDX1260は、16bit処理(12bit出力)が可能なアナログ・シグナル・プロセッサ。撮像素子からの出力をデジタル変換する前の、アナログデータの段階でホワイトバランス調整などの画像処理を行なうのが最大の特徴。これにより、デジタルデータを処理するよりもノイズが少なく、きれいな階調の画像を生成できる。また、ノイズが減ることで、ファイルサイズを小さくできるメリットも生まれる。そのため、CleanCaptureはデジタルカメラ搭載携帯電話にも最適としている。

NDX1260のブロック図。A/Dコンバータの前にあるPGAが、アナログ段階で画像を処理する 100万画素あたりのファイルサイズを比較。CleanCaptureが200KB程度なのに対し、現在の他社製品の平均は400KB程度。つまり2分の1程度にファイルサイズを小さくできる ニューコア製品による撮影画像(左)と他社デジカメによる画像の比較。ニューコア製品のほうがグラデーションがきれいに出る。なお、ファイルサイズは左が921KBに対し、右は1,600KBとしている

 SiP1270は、最大2,400万画素までの撮像素子に対応するデジタル・イメージプロセッサ。NDX1260から出力されたデータに対し、リサイズ、輪郭強調などの処理を施すほか、JPEGやMotion JPEGへのエンコード、ビデオ出力などの機能を備える。また、USB、SD、MMC、CF、ATAなどのインターフェイスを搭載する。

 さらに、組込プロセッサ「ARM9」コアも搭載されており、デジタルカメラのオートフォーカス、オート露出制御を始めとするシステムコントロールや、ソフトウェアによる任意の画像処理が可能になっている。

 NDX1260、SiP1270は72bit超の画像処理演算精度と75Mピクセル/secの処理能力を持っているため、静止画像だけでなく、HDVTクオリティの動画の出力も可能になっている。これにより、静止画撮影機能と動画撮影機能を融合させた新商品なども期待できるとしている。

SiP1270のブロック図。ARM9コアや各種インターフェイスが見える SiP1270のイメージプロセッサ内のパイプライン。輪郭強調やガンマ補正などの機能がハードワイヤードで実装される。下に見えるのが開発ツールの「CCTT」。Windows上から処理のパラメータや順番を変更し、生成される画像のチューニングができる
会場では、CleanCaptureを搭載したデジタルカメラで、HDTVクオリティの動画をリアルタイム出力するデモが行なわれた

●開発環境の整備も

 ニューコアは、CleanCaptureによるデジタルカメラ開発を支援するため、製品評価キット、製品開発キット、カメラ・コンフィグレーション&チューニングツールなどを提供。同社創設者の國土晋吾副社長は、これらの開発環境により、通常16カ月かかる開発期間を6カ月に短縮できるとし、「第1世代製品を採用した企業では、実際に6カ月で開発した例が複数ある」と述べている。

CleanCaptureを搭載した製品評価キット。キヤノン製の3倍ズームレンズ、ソニー製500万画素CCDを備える ファームウェアの構成。リアルタイムOSにはμiTRONを採用 各種開発支援により、6カ月間での開発が可能に
ニューコアの経営陣。左からリッチ・ゴス アプリケーション担当ディレクター兼日本法人副社長、國土晋吾副社長、ジェームス・チャップマン社長兼CEO、渡辺誠一郎CTO、和田信 日本法人社長。ニューコアは、國土副社長と渡辺CTOにより、'97年にシリコンバレーで創設された。全員がインテル、Cyrix、Transmetaなどでのキャリアを持つ

 発表会において同社のジェームス・チャップマン社長兼CEOは、「イメージプロセッサに何を使うかによってデジタルカメラの画質が劇的に変わるため、イメージプロセッサは今後、さらに重要になっていく」と述べ、デジタルカメラメーカーにCleanCaptureの採用を促した。

 なお、PC Watchは発表会に先立ち、チャップマン社長兼CEO、創設者の渡辺誠一郎CTO(最高技術責任者)に、CleanCaptureと同社のビジネスの詳細についてインタビューを行なった。インタビューも追って掲載するので、参照されたい。

□ニューコアテクノロジーのホームページ
(5月14日現在、この件に関する情報は掲載されていない)
http://www.nucore.co.jp/

(2003年5月14日)

[Reported by tanak-sh@impress.co.jp]


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