会場:San Mateo Marriottホテル 5月6日~7日(現地時間)、米カリフォルニア州San Mateo市で、PalmSource主催のPalm OS開発者向けイベント「PalmSource Developer Seminar」が開催されている。このセミナーは米国のあと、中国、ヨーロッパで開催が予定されている。なお従来Palm OS開発者向けに開催されていた「Palm Source」というイベントは、PalmSource Annual Conferenceという名称になって、2004年2月に開催される予定。 会場となったのは、San Mateo Marriottホテル。会場規模としては、あまり大きくはなく、カンファレンスも複数が同時進行するのではなく、単一のトラックのみ。開発者だけを対象にしたこぢんまりとしたイベントだが、小さいながらも展示会場があり、Palmの製品のほか、Palm OSからライセンスを受けた企業が展示を行なっている。 ■Palmは「Tungsten C」と「Zire 71」でソニーのシェアに挑む
Palmは、先週発表したIEEE 802.11b機能搭載の「Tungsten C」と、デジタルカメラ内蔵機「Zire 71」を展示していた。 Tungsten Cは、IntelのPXA255 400MHz(Xscale)と64MBメモリを内蔵した初めての機種でもある。全体のデザインは、すでに出荷済みのTungsten Wとほとんど同じで、外見上の大きな違いは、本体上部のアンテナの有無ぐらい。だが、内部的には、Tungsten WがPalm OS 4.1.1を採用しているのに対し、Tungsten Cは、Palm OS 5.2.1になっている。電話機能を統合するテレフォニー機能は、まだPalm OS 5には統合されておらず、次のPalm OS 6で統合予定のため、Tungsten WのみPalm OS 4のままなのである。 もう1つの新製品「Zire 71」は、低価格ラインのPalm OS 5.2.1マシン。デジタルカメラ(解像度はVGA)を内蔵しており、本体裏側部分を下にスライドさせることで、レンズ部が露出。下に飛び出した部分にシャッターボタンが現れる。299ドルの低価格ながら、ハイレゾリューション(320×320ドット)のカラー液晶を装備している。CPUはTexas InstrumentsのARMコアを搭載したプロセッサ「OMAP310」で、クロックは144MHzである。 Palmは、現在米国ではシェアトップだが、これは低価格なモノクロ機などがあるためで、カラー液晶機でのみ比較するとソニーのほうが多いといわれている。Tungsten CとZire 71は、Palmがカラー機でのシェア挽回を図るための製品と見られる。
□Palmのホームページ(英文) ■着々と開発が進むFossilのWrist PDA
Fossilの“腕Palm機”こと「Wrist PDA」は、かなり開発が進んでおり、今回はほぼ完全に動くモデルが展示されていた。また、充電とPC接続のためのアダプタもあった。 Wrist PDAでは3つのボタンと「ロッカースイッチ」と呼ばれるジョグダイヤルに似たスイッチで操作を行なう。3つのボタンは、キャンセルやアプリケーション終了を意味する「Back」ボタンと上下スクロールキー(Palm機の上下ボタンに相当)。ロッカースイッチは、項目選択のための前後カーソル移動を行ない、押し込むと選択や実行になる。 本体背面に端子があり、ここにアダプタにつながるケーブルのコネクタを接続、充電とUSBによるPC接続を行なう。アダプタは円形で、CDを一回り小さくしたくらいの大きさ。ケーブルの反対側にUSBコネクタとACアダプタ接続コネクタがある。 文字の入力は、液晶全体に直接グラフティを書くことで行ない、左側に書けばアルファベット、右側に書けば数字として認識される。 通常のPalm機では、一定時間後に電源が切れるオートオフ機能があるが、Wrist PDAでは、電源が切れない代わりに、時計モードに入る。このモードでは、時刻などが表示されるが、1秒間に5回程度まで液晶のリフレッシュレートを下げ、低消費電力状態に入る(スクリーンセーバーで時計が表示されるようなものである)。また、このとき、ロッカースイッチを動かすことで、時計のデザインやデジタル、アナログ表示などを変更することができる。さらに、ユーザーがこの時計モード用のプログラムを作ることで違ったデザインの時計を表示させることも可能だという。
□Fossilのホームページ(英文) ■ACEECAのMeazuraは工業用PDA
ACEECAのMeazuraは、独自の拡張スロットを持ち、さまざまな専用マシンを構築できる業務用のPDA。筐体は、防水/耐衝撃構造となっており、屋外などの厳しい環境での利用が想定されている。 拡張スロットは液晶の背面にあり、本体上部にモジュールを差し込む構造。防水構造のコネクタを3つ設置できる。Palm OS 4.1を採用し、CPUは33MHzのDragonball。160×160ドットのモノクロ液晶を装備している。 インターフェイスを作れば、例えば工場の機器制御や、屋外作業の装置制御、測定器などに利用できる。Aceecaでは、これをIDA(Industrial Digital Assistant)と呼んでいる。
□ACEECAのホームページ(英文) □PalmSourceのホームページ(英文) (2003年5月7日) [Reported by 塩田紳二]
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