WinHEC 2003前日レポート

セキュアな明日のPCの姿が遂に明らかに
〜WinHEC 2003が明日より開催


WinHECが開催されるニューオリンズのMorial Convention Center
会期:5月6日〜8日(現地時間)
会場:Morial Convention Center

 Microsoftがハードウェア開発者向けに、Windowsプラットフォームの今後などを説明するWinHEC(Windows Hardware Engineering Conference)が、米国ルイジアナ州ニューオリンズにあるMorial Convention Centerにおいて、明日6日(米国時間)から8日(同)の3日間にわたって開催される。

 開幕前日となる本日は、参加者の登録が行なわれたほか、展示会が行なわれ、いくつかの注目製品が出展された。


●“Palladium”こと“NGSCB”の正体が明らかに

 今回のWinHECで最も注目されているのが、これまでPalladium(パレイディアム)の開発コードネームで呼ばれてきたNGSCB(Next Generation Secure Computing Base)と呼ばれるセキュアなWindowsのアーキテクチャが明らかにされるということだ。

 NGSCBでは、これまでのスタンダードなカーネルとは別に、“Nexus”と呼ばれるセキュアなカーネルが用意され、これの上でセキュアなアプリケーションを走らせることで高いセキュリティを確保するという新しいアーキテクチャだ。今回のWinHECでは3日間すべてにNGSCBに関する技術トラックが用意されており、かなりの時間をかけての解説が行なわれる。

 このNGSCBを利用するには、ハードウェア側もセキュア機能に対応する必要があり、CPU、チップセット、GPU、キーボード、マウスなどのデバイス自体がセキュア機能に対応する必要がある。

 今回のWinHECではIntel、AMDによるNGSCBに関するセッションが用意されており、IntelはLaGrande(ラグランド)テクノロジ、AMDはSEM(Secure Execution Mode)と呼ばれるCPUの新しいセキュリティ機能についての説明を行なう。


●資料の中に入っていたのは、Athlon 64用のWindows XP 64bit-EditionのCD-ROM

 初日は、参加者の登録と展示会が先行して行なわれた。レジストすると、登録証とともに資料などが入った鞄が渡されるが、その中には複数のCD-ROMが含まれていた。

 そのCD-ROMの内容はなかなかふるっていて、うち1枚は明日以降に開催される技術トラックのプレゼンテーションなどを納めたCDとなっているのだが、9枚入っているCD-ROMのうち4枚が、Opteron/Athlon 64に対応した64bit版WindowsのCD-ROMとなっている。つまり、WinHECの参加者は初めて公式に配布されたAMD64版64bit Windowsを手にしたというわけだ。

 その内訳は、“Windows Server 2003 Enterprise Edition”が2枚、“Windows XP 64-Bit Edition”が2枚となっており、Opteronのシステムがあれば、試してみることが可能だ(といっても、もちろん出張中の筆者の手元にはOpteronのシステムなどないので、実際に試しようはないのだが)。

 明日以降には、64bit版WindowsにおけるAMD64への対応を説明する技術トラックも用意されているので、詳細はそちらで明らかになる可能性が高い。

参加者に配られた資料の中に入っていたAMD64に対応した64bit WindowsのCD-ROM AMDブースで行なわれていたAthlon 64とWindows XP 64-Bit Editionのデモ こちらはIA-64版Windows XP 64-Bit Editionのデモ。Deerfieldをにらんで、Itanium2でもWindows XP 64-Bit Editionをアピール


●Intelが“なんちゃってGrantsdale”? でPCI Expressをデモ

 展示会ではいくつか注目の展示があった。Intelは、PCI Expressに関するライブデモを行なった。利用されていたのはサンプルマザーボードで、ノースブリッジはヒートシンクに隠されていて判別できなかったため、どのチップセットであるかは確認することができなかった。

 IntelがPCI Expressをサポートするのは、来年の第2四半期に予定されているGrantsdale(グランツデール、開発コードネーム)以降となっている。Grantsdaleでは、サウスブリッジがICH6になるのだが、今回搭載されていたのICH5(FW82801EB)で、このチップセットはGrantsdaleではない可能性が高い。

 あるOEMメーカー関係者によれば、実はSpringdale世代のチップセットも機能としてはPCI Expressを実装しているという。今回のデモはそれを利用したものである可能性が高い。そういう意味ではまさに“なんちゃってGrantsdale”というわけだ。

 デモでは、PCI Express x16のスロットにテストボードが挿さっており、そこにあるメモリにアクセスすることで、データ転送を実際に行なっていた。NECのブースでも同様のデモが行なわれており、物理層とコントローラチップが1チップとなったシリコンのデモが行なわれた。現在のところはフラッシュメモリをテストボードに搭載し、そこにアクセスして動画を再生するというデモが行なわれていた。

Intelブースに展示されていたPCI Expressのデモ ノースブリッジはヒートシンクに隠れてわからなかったのだが、サウスブリッジはICH5だった

ボード上に用意されているPCI Expressのスロットは、x16とx1だった。なお、x1に関しては実際には配線されておらず、ダミーであるということだ。というのも、GrantsdaleではサウスブリッジのICH6がx1スロットをサポートするので、このサンプルボードではサウスが未だICH5なので、x1はサポートされていないということであるようだ NECによるPCI Expressのデモ。NECが試作したPCI Expressの物理層+コントローラの1チップを利用してフラッシュメモリをアクセスするデモが行なわれていた


●広い色度を実現したNEC三菱電機ビジュアルシステムズの22型WXGA液晶

 NECと三菱電機のディスプレイに関する合弁会社であるNEC三菱電機ビジュアルシステムズは、22型のWXGA液晶で、現在の液晶よりも広い色度を実現した液晶を公開した。

 説明員によれば、展示された液晶はAdobe RGBの色度に近い色度を実現しており、色表現の点で従来のディスプレイと大きな差があるという。実際、カラーチャートを表示すると、現在のsRGBに対応した液晶にくらべて明らかに色表現が向上していることが確認することができた。

 この他、三菱電機はcFFD(Compression Feed-Forwarding Driving)、NCM(Natural Color Matrix)と呼ばれる新しい液晶ディスプレイの技術を開発したことを明らかにした。cFFDは、フレームメモリとともに供給電圧を加圧することで、液晶の応答速度を向上させる技術となっており、NCMは色管理の新しい方式で、これらの機能をオン、オフをすることで液晶に表示される画像がシャープになるというデモが行なわれていた。

NEC三菱電機ビジュアルシステムズの22型WXGA液晶。Adobe RGBに近い色度を実現している 液晶の色度を示すチャート。Adobe RGBに近い色度を実現していることがわかる

左側の通常の液晶ディスプレイに比べて色表現力があがっていることが見て取れる cFFDとNCMのデモ。スイッチで両機能をオン、オフして違いがあることをデモしていた

□WinHEC 2003のホームページ(英文)
http://www.microsoft.com/winhec/

(2003年5月6日)

[Reported by 笠原一輝]


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