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Macユーザーが集う「iWeek 2003」開催
~新型iPodも一般向けに初公開

会期:5月3日~5日(プレイベントも含む)

会場:大阪ビジネスパークほか



 関西圏のMac愛好者の間では、ゴールデンウィーク恒例の行事となった「iWeek 2003」が、今年も5月3日のプレイベントを皮切りにして5日まで開催された。期間中の来場者数は延べ19,527人となり、昨年よりも3,000人ほど動員数を増やした。

 今回で5年目を迎えたiWeekだが、元々は関西地域のユーザーグループを中心に企画され、Macユーザーのための手作りイベントとしてスタートしている。近年は認知度の向上や協賛企業の増加などで規模の拡大が続いているのに加え、日本国内で開催されるMacworldが事実上の終焉を迎えたこともあって、アップルコンピュータ株式会社によるバックアップも例年以上の規模となっている。


■基調講演はクイズ形式で。なつかしネタも登場

基調講演をつとめるアップルコンピュータの原田永幸社長

 4日のオープニングでは、5年連続となるアップルコンピュータの原田永幸社長による基調講演が行なわれた。昨年はこの講演の中で自らのドラム演奏を披露した原田社長だったが、今年は後述する前夜祭ですでに1時間ほどのライブを行なっていたこともあって、スピーチに徹する構成となった。

 一昨年は10個のサプライズ、昨年はドラム演奏を講演時間内でDVD化と、テーマを決めて行われている講演だが、今年はアップルコンピュータが間もなく創立20周年を迎えるということで「アタック20」と銘打ち、同社に関連する20問のクイズ形式で行なわれた。会場内の指名された来場者が、3つの選択肢から回答を選択する。正解すればノベルティグッズがプレゼントされるほか、スクリーンにある20個のパネルのうち1個が開いて、最終的に開いたパネルの数が多いほど、最後に流れることになるビデオ映像が見やすくなるという某局のクイズ番組によく似た構成だ。

 来場者のほとんどが熱心なMacユーザーということもあって、設問の多くは少々マニアックな部分もある。序盤は社内でアンケートした結果という同社社員の傾向を当てる設問が多かったが、なぜか誤答が続出。一時はどうなることかと思ったが、後半の製品関連で盛り返して、結果として最後のビデオ映像は充分視認できるほどにパネルが開いていた。いくつかの設問は写真で掲載してみたので、我と思う人はチャレンジしてみるといいだろう。

 講演はこれら個々の設問の回答に対して原田社長がコメントを加え、同社の製品やサービスを紹介していくという構成。場内が特に盛り上がったのは、ソニーのバイオノートZの広告コピーである「すべてのモバイルが、嫉妬する」というコピーを逆手にとり、同社の若手女性社員が逆にバイオノートZをユーモアをまじえつつこき下ろしたところ。ある意味ではクローズドなイベントなので、場内はMacユーザーだけなのだから許される内容というところだろうか……。

iWeekの仕掛け人、大阪電気大の魚井宏高教授が基調講演に先立ってiWeekの開幕を宣言 これがQ2。新型iPodには7,500曲もの音楽データが記録できると言うことで回答は……? 延べ回数なので……原田社長によると、出張以上に海外から日本に訪れるスタッフが多いとのこと……
毎年話題になるテーマ。設問は“2年前の”ということで、現在は向上過程にあるとのこと こういうイベントだからこそ許されるネタ? 最近はポータブルがどんな製品か知らない人も? 新卒入社3年目という女性社員。可愛い顔ながらなかなかの毒舌ぶりで、会場は大ウケ
いずれも近日中にリニューアルオープンを計画中とのこと。9日には有楽町のソフマップにてiPodの販売イベントも開催 いくつかあったなつかしネタのひとつ。当時からプラグ&プレイで画像の取り込みができた。当時の最大撮影枚数12枚 他社はリストラばやりでも、官公庁専任のスタッフ、テレセールスオペレーターなどさまざまな分野で拡張中とのこと
カジュアルデーというのがあるそうです。こういう話はなかなか伝わってこないもの 50だとかなり困ります。この設問をきっかけにして櫻場氏によるMac OS Xのかつてないプレゼンテーションへ

■前代未聞“スクリーンを使わない”Mac OS Xデモ

Mac OS Xが動作している様子。手前からMail、Photoshop、Illustrator、Ocffice X、Final Cut Pro、Safari。端にはBombも待機中

 他には、Mac OS Xのプロダクトマネージャである櫻場浩氏による、スクリーンを使わないMac OS X 10.2の機能紹介があった。これはMac OS Xのマルチタスク環境や各アプリケーションの動作を、これまたコスプレをした同社の若手社員がステージ上で演じるという内容。Dockからの起動などを面白おかしく演技するわけで、聴衆は頭でMac OS Xの画面を思い浮かべるという演目になり、やはりこれもMac OS Xを使ったことがないとなかなか楽しむことが難しい。

 講演の終了後は、1月にサンフランシスコで開催されたMacworldと同様に、来場者に同社のプレゼンテーションソフト「Keynote」がプレゼントされたほか、最後のビデオ映像の答えだった設立20周年記念の紅白餅が振る舞われて、予定時間を大きく超えた基調講演が終了した。

各アプリがDockに収まっている様子(を頭の中で思い浮かべてみる)。演じているのは、入社数年の若手社員とのこと 基調講演に来場した聴講者には、サンフランシスコでのMacworld同様、「Keynote」がプレゼントされた 創設20周年を記念して聴講者に振る舞われた紅白餅。これが最後の映像クイズの答え

■前夜祭には向谷実氏も登場、歴代Macの起動音で演奏

メインの展示スペースとなったアトリウム。協賛各社のブースをはじめ、イベント用ステージ、ハンズオンコーナーなどがある

 展示スペースとなる大阪ビジネスパーク(OBP)内のツイン21アトリウムでは、3日からプレイベントがスタート。協賛各社によるブース展示や、ユーザーグループによるステージイベントが始まった。企業ブースでは、ヤノ電器がFireWire 800に対応する2.5インチHDDを参考出展したほか、マイクロソフトの開発スタッフが直接ユーザーの意見や疑問に答える「Ask the Experts」のコーナーを設置していた。ちなみに会場内にはXboxのデモスペースもあり、家族連れなどの間でなかなかの人気ぶりを見せていた。

 4日からは基調講演会場となるMIDシアター内に、アップルコンピュータの展示エリアもオープン。先日発表されて9日より国内出荷が開始される新型iPodが、はじめて一般向けに公開されていた。このMIDシアターでは、Apple Proステージと題して、クリエイティブな現場におけるMacの運用をテーマにしたステージも開催された。

 4日には「PowerBookで映画を編集すること」をテーマに、有限会社ジェイフィルム代表取締役の掛須秀一氏が講演。「13階段」や「あずみ」など話題の邦画の撮影現場にPowerBookを実際に持ち込んで、FinalCutProなどを使った現場での編集作業の過程やそのノウハウなどについて紹介した。このApple Proステージは5日も開催され、「インテリアデザインの現場でのクリエイティビティ」、「ヒラギノ開発者が語る日本語DTPの世界」、「プロの音楽制作現場におけるMacintosh」といったステージが行われている。

 日時は前後するが、3日の夜には大阪城ホールでiWeekの「前夜祭」が催されている。ステージには原田社長がドラムをつとめIT業界関係者を中心に構成されるバンド「Lingo Stars」が登場。プロのボーカリストやミュージシャン、さらに特別ゲストとして登場したカシオペアの向谷実氏もまじえて1時間余りの演奏を披露したほか、来場者向けのプレゼント抽選会なども行なわれるなど、MacユーザーによるMacユーザーのためのイベントは3日間にわたって大いに盛り上がっていた。

ヤノ電器が参考出展した2.5インチドライブ採用のハードディスク 背面パネルはまだ準備ができていないという。FireWire 800×2とUSB 2.0×1の構成。FireWire 400には、付属の変換ケーブルで対応予定とのこと オムニがデモしていたPowerMac G3/G4の旧シリーズ向けFireWire 800のインターフェース。64bitのPCIバスに対応。1万円強の価格帯で6月頃出荷予定
絶え間なく行なわれているさまざまなステージイベント。熱心なMacユーザーとしてお馴染みのTBSの鈴木順アナウンサーも東京から駆けつけ、次々とイベントに登場 福井大学工学部知能システム工学科による「モビマック」。Mac筐体に各種センサーを埋め込んで、コミュニケーション型のロボットを実験中 アトリウム内にはXboxの試遊コーナーも。家族連れなどになかなかの人気ぶり
ハンズオンデモでは9日に販売が開始される新型iPodとiTunes4を使ったセミナーなどを開催 一般向けに初めて公開された新型iPod。デモ機はかなり潤沢に用意されていた MIDシアター内に設置されたアップルコンピュータの展示スペース。ここでも新型iPodを試すことができた
Apple Proステージで「PowerBookで映画を編集すること」を講演する掛須秀一氏(写真左)。映画撮影現場におけるFinalCutProの運用などを紹介 3日夜に大阪城ホールで開催された前夜祭で演奏を披露した「Lingo Stars」。ドラムの原田社長をはじめ、IT業界関係者を中心にしたメンバー構成 特別ゲストの向谷実氏。歴代Macの起動音をサンプリングしてセッションに加えたり、軽妙なステージトークで会場を盛り上げた

□iWeekのホームページ
http://www.iweek.jp/
□アップルコンピュータのホームページ
http://www.apple.co.jp

(2003年5月6日)

[Reported by 矢作 晃(akira@yahagi.net)]


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