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ソニー、「バイオ」ブランドを周辺機器にまで拡大
〜2002年度決算会見で出井会長が言及

ソニー・出井伸之CEO

4月24日発表



 ソニーの出井伸之会長は、2003年3月期連結決算発表のなかで、「バイオシリーズは、パソコン本体だけのブランド名から、周辺機器などを含めたビジネスブランド戦略になる」との方針を明らかにした。

 バイオの収益性悪化などが取り沙汰されるなかで、「本体だけで利益を確保するのではなく、バイオ製品グループとして収益を計上できる体制に転換したい」(出井会長)とした。対象となる具体的な製品分野については明らかにしなかった。

 バイオの2002年度実績は、国内が前年比24%減の130万台、海外が前年比横ばいの180万台。合計では12%減の310万台とマイナス成長。今年1月の段階で、当初計画を大幅に下方修正した経緯がある。先頃、JEITAが発表した国内のパソコン出荷実績では前年比8%減だったことと比較すると、バイオのシェアが大幅に減少したことが推測される。

 また、2003年度の計画についても、海外が前年比11%増の200万台とするものの、国内は15%減の110万台とマイナス成長を見込み、これまでの拡大路線から一転して、弱気な出荷計画を打ち出している。

 「市場全体が低価格へシフトするなか、価格に追随しなかったバイオのビジネスに影響したのは事実」と、徳中暉久副社長兼CFOは、2002年度の出荷低迷の理由を話すが、この傾向は2003年度も続きそうだ。

 出井会長は、「これまでのバイオ事業は、勝ちすぎたというところもある。また、それによって、一本調子で突っ走りすぎたところもある。パソコンビジネスは、規格が決まっているので、デルコンピュータのように、回転を早くして、シェアをとるというやり方と大量に生産して低価格で売るか、数を絞り込んで新たな付加価値を提供するかのいずれかの選択を迫られている。ソニーは選択が遅れ、第4四半期は負けたかもしれない。だが、これは一時的なものであって、商品性そのものを強くしていくことに力を注ぐ」とし、本体中心型のビジネス戦略から、バイオワールドしてのブランド戦略により収益回復を目指す考えだ。

決算内容

 一方、2002年度の同社売上高は、前年比1.4%減の7兆4,736億円、営業利益は前年から508億円増加の1,854億円、税引前利益が1,548億円増加の2,476億円、当期純利益が1,002億円増加の1,155億円と増収増益となった。

 エレクトロニクス分野は、バイオシリーズおよびアイワ製品などの売上げ減少によって、前年比6.5%の減収となる4兆9,405億円となったが、デジタルカメラやCCD、クリエなどの利益貢献、コンポーネント分野における事業構造改革効果によって、前年度の12億円の赤字から414億円の利益となった。

 出井伸之会長は、「戦争の影響や米国の経済環境の低迷を見て、第4四半期は、在庫を急激に絞り込んだ。ブレーキは効きがいい方がいい、といいたいが、ブレーキが効きすぎた」とコメントした。

 また、ゲーム部門では、欧米を中心にハード、ソフトともに販売数量が増加したものの、販売価格を引き下げたことで4.9%の減収となる9,550億円。営業利益については、ハードウェアの継続的なコストダウン、ソフトの売り上げ増加などによって、営業利益は大幅に増加。前年比35.9%増の1,127億円となった。

 一方、同社では、2006年度までの3カ年に渡って、総額1兆3,000億円にのぼる投資を行なう計画を明らかにした。

60周年に向けて、総額1兆3,000億円を投入 産業構造の転換

 出井会長は、「ソニーは、3年後には60周年という、いわば還暦を迎える。もう一度若返りをはかり、利益を生み出す新たなプロフィットモデルを作りたい。目標は営業利益率10%であり、固定費の削減とともに、グローバル企業としての体質を整えたい」とした。

 出井会長によると、円のコストが5割であるのに対して、円の収入が3割となっており、円のコストと収入のバランスをとりたいという。つまり、「日本におけるコスト削減とともに、経営構造に手をつけること、非戦略資産の整理などを行ないたい。他社と提携するもの、やめるものを明確化する一方、付加価値の高いキーデバイスに戦略的に投資していく」という。

 先頃、プレイステーション向けの最先端プロセス技術を用いた半導体事業などに対して2,000億円の投資を発表したが、それをはじめとして5,000億円の投資を計画。さらに、既存商品強化のための研究開発費用に5,000億円、固定費の削減など3,000億円を計上する。初年度となる2003年度には、グループ全体で1,400億円の構造改革費用を計上する予定。

 なお、2003年度の見通しについては、2006年に迎える創立60周年を前に取り組む構造改革のために投資を加速。厳しい経済環境も反映して、売上高で前年比1%減の7兆4,000億円、営業利益は前年から30%減の1,300億円、税引前利益が48%減の1,300億円、当期純利益が57%減の500億円と、減収減益とした。

取締役構成案 執行役構成案 ソニーグループの組織概念

 さらに、同社は、委員会等設置会社への移行に伴って、17人の新任取締役候補を決定した。6月20日の株主総会を経て、新体制をスタートする。

 出井伸之CEO、安藤国威COO、徳中暉久CFOは、それぞれ代表執行役として経営執行にあたる。

 また、取締役会議長に、中谷巌多摩大学学長、指名委員会議長に小林陽太郎富士ゼロックス会長、報酬委員会議長に岡田明重三井住友フィナンシャルグループ取締役会長、監査委員会議長に山内悦嗣三井フィナンシャルグループ取締役が就任する予定。

 取締役候補には、前経済産業省の資源エネルギー庁長官の河野博文氏、日産自動車のカルロス・ゴーン社長、オリックスの宮内義彦会長が名を連ねた。

 出井会長は、カルロス・ゴーン氏が取締役会に参画を要請したことに関して、「私が他社の取締役として参画し、いい勉強になったように、ゴーン氏もソニーのなかを見ることができる、いいチャンスだと思ったのだろう。私も、口説く自信はあったが、ゴーン氏からは、30秒で即答をもらった。ディシジョンが速い方だと感じた。ゴーン氏には、モチベーションを高めながら、構造改革を推進する手法を、ソニーに取り入れるという点で期待をしたい」と話した。

□ソニーのホームページ
http://www.sony.co.jp
□ニュースリリース
http://www.sony.co.jp/SonyInfo/News/Press/200304/03-019/

(2003年4月24日)

[Reported by 大河原克行]


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