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JEITA、情報端末関連機器の市場予測を発表
~液晶ディスプレイ成長、CRT大幅減少

3月7日発表


 社団法人 電子情報技術産業協会(JEITA)は、2002年の情報端末機器関連業界における市場規模および今後の需要予測について発表した。

 レポートでは、ディスプレイやハードディスク、光学ディスク、プリンタ市場など、各市場ごとに2002年までの出荷実績と、2005年~2006年までの市場規模予測について述べられている。

 2002年の世界市場のディスプレイ出荷台数については、液晶ディスプレイが前年比198%となる3,039万台、CRTディスプレイが前年比80%となる7,803万台。台数ベースではCRTが依然上回っているものの、その差は確実に縮まっており、CRTは2001年につづく大幅な減少になったとしている。

 同じく国内市場のディスプレイ出荷台数については、液晶ディスプレイが前年比136%の463万台となったものの、CRTディスプレイは前年比48%となる173万台に半減。合計出荷台数としては前年比90%の636万台となった。合計出荷台数が伸び悩んだ背景としては、国内パソコン需要の減少と、ノートパソコンの普及によって外付けディスプレイの需要が減少しつつあることをあげた。

 2005年までの世界市場予測については、液晶ディスプレイの大幅な市場拡大によって、CRTディスプレイの出荷台数が2002年比で60%ととなる4,709万台に減少するとしている。液晶ディスプレイについては、2003年には前年比148%となる4,506万台、2005年には9,524万台にまで拡大するという。

 また、2002年から始まった台湾・韓国による第5世代ガラス基板サイズ生産ラインへの積極投資により、15型液晶だけでなく、17型液晶についても低価格化が進み、液晶ディスプレイ市場全体の伸びが期待されるという。

 国内市場では、すでに液晶ディスプレイの普及率が高く、ノートパソコンも普及しているため、2003年は前年比117%の541万台、2005年では616万台で、飽和状態に陥る可能性を指摘している。CRTディスプレイについては、2003年に前年比56%の96万台、2005年には57万台へと大幅に減少すると見られている。

 また、金額ベースでは、液晶ディスプレイ単価の下落傾向が続くことにより、2003年は前年比88%の2,551億円、2005年には2,519億円となり、横ばいになる可能性が高いという。CRTディスプレイについては2003年には269億円、2005年には127億円と、出荷台数の減少とともに金額ベースも縮小する見込み。

 プリンタ市場については、世界全体では前年比103%、金額では前年比102%の約5兆2,000億円となった。

 このうち、2001年には大きく前年割れしたインクジェット機器は、中国を中心とするアジア太平洋地域での市場活性化や、北米でのインクジェット複合機の急成長の影響をうけ、前年比103%の6,910万台となったものの、平均単価は引き続き下落を続け、金額では前年比94%の1兆4,400億円となった。うち、インクジェット複合機は880万台となり、全プリンタ市場の1割を占める。

 プリンタ市場の今後については、2006年まで緩やかな成長を続けると見られ、全世界での販売台数は、2004年に1億台、2006年には1億1千万台になるとしている。

 インクジェットプリンタは2003年には全世界で複合機を含めて7,480万台。複合機やダイレクトプリント機などの導入によって市場が牽引され、2006年には8,800万台の出荷が見込まれるという。また、複合機については欧米、日本市場を中心に大幅な伸びを見せることを予測しており、2006年には1,800万台が出荷され、インクジェット市場の2割を占めるという。

 ハードディスク市場については、2002年の総出荷台数が前年比5%増の2億238万台と、微増にとどまった。これは世界的なコンピュータ市場の頭打ちの影響によるものとしている

 サイズ別では3.5型ハードディスクが前年比5%増となる1億6,681万台、2.5型ハードディスクが前年比7%増となる3,557万台。このうち2.5型ハードディスクの国内への出荷台数は前年比8%増となる743万台。出荷台数のうち、2.5型ハードディスクの割合は、世界では18%、国内では37%が占め、国内ではノートパソコンの普及率の高さから、世界にくらべて高いものとなっている。

 2003年以降は、コンピュータ用途の回復が見込めるとともに、AV機器やゲーム機、カーナビなどへの採用が進み、世界国内市場ともに拡大するという。

 光学ディスクについては、2002年の出荷実績は、前年比111%となる約1億9千万台。DVD-ROMおよびCD-ROMドライブについてはほぼ底値となっており、安定した販売価格となっているほか、CD-RWドライブについても速度競走が終わり、徐々に価格が低下していく見通しになっている。また、書き換え型DVDドライブについては本格的な成長期に入り、2005年までには急速な伸びを見せることが予想されている。

□JEITAのホームページ
http://www.jeita.or.jp/
□ニュースリリース
http://it.jeita.or.jp/statistics/intelterm/2002/index.html

(2003年3月7日)

[Reported by kiyomiya@impress.co.jp]


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