[an error occurred while processing the directive]

インテル、Centrinoプレス向け事前説明会を開催

インテル株式会社 プラットフォーム&ソリューションズ マーケティング本部の菅原直人氏

2月28日公開



 インテル株式会社は、3月に発表予定のノートPC向け新アーキテクチャ「Centrino」(セントリーノ)に関する、プレス向けの事前説明会を開催した。その中で同社は、Centrinoモバイル・テクノロジに関する技術概要や、マーケティング戦略について説明を行なった。

 インテル株式会社のプラットフォーム&ソリューションズ マーケティング本部の菅原直人氏は、昨今のノートPC市場について、「今後も年率約15%の高い成長を続けていくとみられ、これは無線LAN機器が内蔵されることで牽引される」と語り、Centrino搭載製品が市場に与える影響の大きさを強調した。

 Centrinoは、インテルがノートPC向け製品として、はじめてゼロから開発したもの。Centrinoブランドを名乗るためには、CPUである「Pentium M」、チップセットの「Intel 855」と、同社のミニPCI用無線LANモジュール「Intel PRO/Wireless 2100」を搭載する必要があり、このなかで1つでも欠けている場合は、Centrinoブランドとして販売することはできない。

 そのため、CPU、チップセットのみを採用し、Intel PRO/Wireless 2100を搭載しないケースでは、Centrinoではなく、「Pentium M」ブランドで販売することとなる。

 インテルはCentrinoブランド戦略を採用するにあたり、これら3つのコンポーネントのバリデーションテストを強化しているという。

 特に無線LANモジュールについては、世界各国に普及をはじめている、ホットスポットにおける接続性やセキュリティ、VPNや各種ファイアウォール経由での接続検証なども実施しているという。これによりユーザーが安心して、手軽にワイヤレス環境を利用できることをアピールした。また、インテルが国内外におけるホットスポットの普及促進を支援していくことも強調していた。

従来のチップセットとの比較 Centrinoに該当しない製品には、写真の「Pentium M」ロゴが使用される 国内でのホットスポット接続確認状況。このほかにも数社の確認が終了しているという

 Centrinoは、同社のPentium 4、Celeronの上位に立つ最高のモバイルテクノロジブランドと位置付けられ、ノートPCにおいてデスクトップ並のパフォーマンスと長時間のバッテリ駆動、薄型軽量化、ワイヤレスLAN環境をもたらすものとしている。今後は、モバイルPentium 4の高クロックモデルを除いて、ほとんどのノートPCをCentrinoでカバーしていくことが可能という。

 引き続き、Centrinoモバイルテクノロジの技術概要について説明がされ、1MBという大容量のL2キャッシュ、20%以上分岐予測ミスを低減した「アドバンスト分岐予測」、より効率のよいインストラクションにより、省電力で命令を実行可能にする「マイクロOpsフュージョン」など、一通りの技術説明がされた。

 これらにより、Centrinoモバイル・テクノロジを搭載したノートPCは、従来のモバイルPentium 4-Mと比較して、低クロックながらより高いパフォーマンスを実現し、さらに長時間のバッテリ駆動も可能になっているという。

 そのほか、ワイヤレスモジュールについては、予定通りIEEE 802.11b対応のものを3月に発表、6月をめどにIEEE 802.11a/bのコンボカードを発表する予定を明らかにした。

 質疑応答ではまずIEEE 802.11gへの対応について質問がされた。それについて同社は、「製品を供給する計画はあるが、あくまで最終仕様の策定を待って、しっかりしたものを作りたい」と述べ、具体的な出荷時期についてのコメントは避けた。

 また、今後の無線LAN市場の方向性については、「現時点で一般的なのは11bだが、企業向けとしては11aがトレンドになっている。ただし、コンシューマ市場においては、遮蔽物の多い一般の家屋内での用途に11aは不利であり、特に日本国内では11gが主流になると考えている」という見解を明らかにした。

 Centrinoを搭載したノートの市場価格の見通しについては、「従来のモバイルPentium 4-Mを搭載したノートとは、それほど変わらない価格になると思われる。そのため、最も安いモデルでは21万円前後から製品化が可能だろう」と語った。

 そのほか、ノートPC以外でCentrinoモバイル・テクノロジを採用した製品が登場する可能性については、「当初はほとんどの製品でノートPCとして販売されるが、必ずノートの形態にしなければ販売しないということではない。要望があれば省スペースPCなどの用途でも販売は可能」と説明した。また、Celeronのようにキャッシュを減らした廉価版を発表する計画については、「現時点では計画はない」とした。

□インテルのホームページ
(2月28日現在、この件に関する情報は掲載されていない)
http://www.intel.co.jp/
□関連記事
【2月20日】【IDF】モバイルPentium 4 2.40GHz-Mを上回るPentium M 1.60GHzの処理能力
~バッテリー駆動時間は5時間強!
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2003/0220/idf03.htm

(2003年2月28日)

[Reported by kiyomiya@impress.co.jp]


【PC Watchホームページ】


PC Watch編集部 pc-watch-info@impress.co.jp
個別にご回答することはいたしかねます。

Copyright (c) 2003 Impress Corporation All rights reserved.