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日本IBM、プライベートセミナーで
Centrino搭載ThinkPadなど公表

会期:2月26日~28日

会場:ロイヤルパークホテル/日本IBM箱崎事業所

入場料:無料(事前登録制)



 日本アイ・ビー・エム株式会社(日本IBM)は自社製品や技術、サービスを紹介する「IBMフォーラム 2003」を、都内で開催している。会期は26~28日。事前登録制で、参加申し込みは終了している。

 IBMフォーラムは、ロイヤルパークホテルと、同ホテルに近い日本IBM箱崎事業所で開催されている。ロイヤルパークホテルでは同社の技術やサービス、事例などを紹介するセミナーが開催され、箱崎事業所ではセミナーのほかに、「オンデマンド・ギャラリー」と題した展示会が行なわれている。

 初日の26日は同社のBP&システム・PC製品事業担当の橋本孝之 取締役が「オンデマンド時代を支えるハードウェア」と題し、同社サーバー製品の動向を中心に講演した。この中で、ThinkPadなどのPCにも言及し、3月にCentrino搭載製品「ThinkPad T40」を発売すると述べた。

●柔軟な企業を作る柔軟なハードウェア

橋本孝之 取締役

 橋本取締役の講演では、60分の大半を割いて、同社が掲げる「e-business on demand」の定義と、それをIBMがどう実現するかを説明した。

 「e-business on demand」は「変化に柔軟に対応し、企業が生き延びること」とし、このような企業を作るには「即応性、柔軟性、集中化、回復力」が必要とした。そして、4つの要素を実現するために「統合化、オープン、仮想化、オートノミック」の4つの技術が必要と述べた。

 これらを実現するIBM製品として、POWER4プロセッサ搭載サーバーやストレージ製品を紹介。さらに、Linuxなどのオープン・スタンダードへの対応や、複数のコンピュータを統合することで仮想スーパーコンピュータを実現するGridへの取り組みなどをアピールした。

 また、同社製ブレードサーバー製品「BladeCenter」にも言及。熱管理などの問題からモバイルPentiuimを搭載するブレードサーバーが多い中、同社製のブレードサーバーではメインフレーム技術などの応用によりXeonの搭載を実現したと述べた。

 また、ブレードサーバーに搭載が計画されているオートノミック(自律型)コンピューティング技術として、負荷予測・自動負荷分散技術「HotRod」や、短時間で障害から復旧したり、環境を変更する技術を紹介した。これらについては展示会場でデモンストレーションが行なわれていたため、詳細はそちらで紹介する。

●IBMのCentrino搭載製品第1弾はT40?

 クライアントPCについては講演の終わり近くに10分ほどが費やされたが、内容は「Think Strategy」の推進、オートノミック・コンピューティング技術の導入、Thinkブランドの拡大など、昨年発表された戦略を確認するにとどまった。

 この中で、3月に発売されるCentrinoモバイルテクノロジ搭載製品が紹介された。搭載されるのは2スピンドルのThinkPad T40で、CPUにPentium-M 1.30~1.60GHz、ビデオチップにATI MOBILITY FireGL 9000、IEEE 802.11a/bとGigabit Ethernet、USB 2.0を搭載する。動作時間は6セルバッテリーで4時間、9セルバッテリーで6時間とされ、重量が従来機の2.3kgから2kgに、厚さが36.6mmから25.4mmになる。

【お詫びと訂正】プレゼンテーションの写真については、取材現場での制限時間を越えて撮影されておりました。ご迷惑をおかけした関係者のみなさまにお詫びするとともに削除させていただきます

●展示会場ではブレードサーバーのデモなど

 箱崎事業所の展示会では、橋本取締役の講演で紹介されたブレードサーバー技術のデモや、Gridコンピューティングへの取り組みなどが紹介された。

 ブレードサーバーのデモは、負荷を予測して自動的にサーバー数を増減する「HotRod」技術と、負荷や障害に応じてブレードサーバーの構成を短時間で変更する「Disk-less Blade」の2種類。HotRodは研究中の技術で、いずれは負荷をGrid網へ分散するなどの発展を計画しているという。

 Disk-less Bladeは、ブレードサーバーにHDDを装備せず、ファイバーチャネルで接続されたSAN(Storage Area Network)を使用。ストレージとCPUなどを分離することで、環境変更を短時間で行なう。展示会場には10枚のブレードを装備したサーバーとSANが設置され、2つのデモを行なった。

 1つ目は、1つのブレードサーバーの中にWebサーバーを動かすLinuxと、SQLサーバーを動かすWindowsが同居していると想定したもの。昼間はWebサーバーの負荷が高いため、Linuxに6枚、Windowsに4枚のブレードを割り当て、夜間はSQLサーバーへのバッチ処理の負荷が高いため、Linuxに2枚、Windowsに8枚のブレードを割り当てる状況を再現した。それぞれのブレードが、SANの対応するHDDを切り替え、リブートするだけでLinuxとWindowsを短時間で切り替える様子を見せた。

 また、ブレードにハードウェア障害が発生した状況を再現し、HDDとの接続を切り離し、ブレードを取り替えて再接続するだけで復旧する場面も紹介した。さらに、負荷が増えた場合にブレードを追加するだけで対応できることも紹介された。

 このほか展示会場では、セキュリティ用品やGridコンピューティングなどを紹介しているほか、同社のCMに登場する「過去の無駄な投資をなかったことにしたり、未来に行って、お客様が欲しいものを前もって知ることができるビジネス・タイムマシン」などのニセ発明品が展示されている。

デモに使用されるブレードサーバー「BladeCenter」(右)。ブレードサーバーにはHDDが内蔵されておらず、左にあるファイバーチャネルで接続されたSANをストレージとして使う BladeCenterに内蔵されるブレード HotRodのデモ。右上のグラフの緑線が、予測された負荷、青線が実際の負荷。左下のグラフは稼動サーバー数で、負荷予測に応じてサーバー数が増えている。右下のグラフはレスポンスタイムを表し、一時的にレスポンスタイムが増加し、すぐに回復する様子がわかる
ブレードとSANのディスクのマッピング。マッピングされたディスクを変更することで、稼動OSなどの環境を短時間で変更できる No.1ブレードで稼動していたLinuxをシャットダウン(左)し、ディスクのマッピングを変更すると、Windows 2000 Serverが起動する(右)
PCで構成されたGridで、ThinkPad Dogを描画するデモ CMに登場する「ビジネス・タイムマシン」。このほか「マジック・ビノキュラー」や「ナンデモ・ビジネス・アダプター」などのニセ発明品が展示されている

□日本IBMのホームページ
http://www.ibm.com/jp/
□IBM FORUM 2003
http://www-6.ibm.com/jp/event/forum2003/

(2003年2月26日)

[Reported by tanak-sh@impress.co.jp]


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