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日本IBM、3年連続減益へ。大歳社長の自己採点は65点
~パソコン事業は前年比24%減に

日本アイ・ビー・エム 代表取締役社長 大歳卓麻氏

2月24日発表



 日本アイ・ビー・エム株式会社は、2002年の連結決算を発表した。総売上高は、前年比7.3%減の1兆5,834億3,400万円。内訳は、国内売上高は、前年比0.1%減の1兆4,601億1,300万円。輸出高は、前年比50%減の1,233億2,000万円。輸出の大幅な減少は、野洲事業所における海外向け液晶事業と実装基板事業の再編の影響によるもの。

 営業利益は、7.5%減の1,673億1,100万円。経常利益は前年比3.6%減の1,665億9,400万円。4年ぶりの減収、3年連続の減益という厳しい結果となった。

 「IBM全体で見れば、ワールドワイドのなかでは、2002年はちょうどアベレージのレベル。2000年、2001年は全世界のIBMの平均を上回っていた」(大歳卓麻社長)とした。

 なぜか、この会見で毎年恒例となっている大歳社長の経営者としての自己採点は、「今年は65点。合格ラインは維持している」としたものの、昨年の70点、一昨年の75点からは毎年5点ずつ点数が減少している。それだけ、経営環境が厳しくなっていることを浮き彫りにしたともいえよう。

 パソコン事業に関しては、プリンタを含めて前年比24%減となったものの、収益は黒字。「企業向けあるいはノートパソコンは堅調に推移したものの、コンシューマ向けおよびデスクトップが苦戦した」(大歳社長)という。ThinkPad発売10周年の節目の年は、限定モデルは即完売したものの、厳しい1年だったといえよう。

●サービス事業が好調な伸び

 同社では、各事業ごとの具体的な売上高などは発表しないが、全社売上高に占めるサービス事業の比率は6割弱、ハードは3割強、ソフトは1割弱とした。また、伸張率は、サービス事業が10%増、ハード事業が14%減、ソフト事業が15%減となった。

 サービス事業においては、11年連続での2桁増を記録。なかでもアウトソーシングは、3割増という高い伸びを記録した。広島銀行と福岡銀行の共同アウトソーシング受注や、資生堂、ノリタケ、三菱自動車などの大手企業のアウトソーシング案件が相次いだのが好調の理由。また、ネットワークサービスに関しても、約4割増加。「経営の観点から提案できる能力が他社との差別化につながっている」と強調した。e-ビジネスホスティングサービスについても、一昨年9月にオープンした幕張データセンターの積極活用もあり、前年比2割増という成長率になった。

 ソフトウェア事業に関しては、メインフレーム関連製品が厳しく、さらに、同社のWebSphere、DB2、Lotus、Tivoliの4つのブランドの主力製品がすべて第4四半期に新製品が投入されるという事態になったことから、前年実績を下回った。

 だが、製品別に見ると、WebSphereが東京三菱銀行で邦銀初のWebサービス案件として採用されるなどの大型案件を獲得したことで前年比3割の成長。DB2も市況環境が厳しいものの、SAPがDB2を社内システムに採用するなどの動きや、DB2のエントリーレベルの認定技術者であるDB2アドバイザーが1万人に達するなどのパートナー展開が功を奏して増収。

 一方、Lotusは、Notes/Dominoの新製品が、第4四半期の投入となったため減収。だが、新製品が第一生命に導入されたり、電子政府のインフラとしての活用がすすみ、中央官庁の約9割を占めるなどの成果が上がっているいう。Tivoliは微減。セキュリティやオートノミックコンピューティングの機能が高い評価を得ており、今年度の躍進が期待できるという。

 ハードウェア事業は、サーバー、ストレージが全体で14%減。サーバーは、市場低迷の影響、価格水準の低下の影響で、サーバー全シリーズがマイナス成長。だが、UNIXサーバーのpシリーズでは、開発コードネーム「レガッタ」と呼ばれていたハイエンドのp690が、2001年12月の出荷以来、100台以上の導入に到達するなど比較的好調に推移。IAサーバーのxシリーズもハイエンドのx440が好調だという。メインフレームのzシリーズは、サーバー統合などの需要が目立ってきたほか、iシリーズは他社メインフレームからのリプレースが目立つという。

 Linuxに関しては、前年比3割増。現在1,500人のLinux技術者を擁しており、「今後はLinux関連サービスの拡充、Linux分野での新規パートナーの獲得に力を注ぎたい」としている。

●2003年は「オンデマンド時代の幕開け」に

 大歳社長は、2003年の施策について言及、「2003年は『オンデマンド時代の幕開け』と位置づけている」とし、「すべての事業がオンデマンドを基本に展開していくことになる」と話した。

 米IBMでは、昨年10月30日に、新たなコンセプトとして「e-ビジネス・オンデマンド」を発表した。「e-ビジネス」を提唱してから7年ぶりとなるこの考え方は、社会の変化を機敏に捉えて、柔軟に対応できる企業像、ビジネススタイルを定義したものだ。

 「ITの進展や、ブロードバンドの高速化および低コスト化によって、オンデマンドビジネスがいよいよ現実のものになる年だろう」として、サービス、コンサルティング展開に力を注いでいくことを明らかにした。

 同社では、昨年、米PWCCの買収によって、IBMビジネスコンサルティングサービスを別会社として設立。日本でも、旧PWCCから1,600人、日本アイ・ビー・エムから1,000人をあわせることで、国内最大規模のコンサルティング会社となった。これらのパワーを活用して、e-ピジネス・オンデマンド事業を加速させる考えを強調した。

□IBMのホームページ
http://www.ibm.com/jp/
□2002年度決算概要
http://www.ibm.com/jp/ibm/gyouseki.html

(2003年2月24日)

[Reported by 大河原克行]


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