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エプソン、普通紙印刷に特化したインクジェットプリンタと複合機

CC-600PX

2月21日 発売

標準価格:PX-V700:26,800円
     CC-600PX:45,800円

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     Tel.042-585-8444



 エプソンは、普通紙での高画質印刷に特化したインクジェットプリンタ「PX-V700」およびインクジェット複合機「CC-600PX」を2月21日より発売する。価格はPX-V700が26,800円。CC-600PXが45,800円。


●普通紙の印刷画質、保存性に優れた「PXインク」

 両製品とも新開発した顔料インク「PXインク」を採用した。顔料インクの最大の特徴は、耐水性の高さ。印刷時にインクが紙の表面にとどまるため、同社「PMシリーズ」などで採用されている染料系インクと比較して、普通紙に印刷した際のにじみが少なく、エッジのシャープな文字出力が可能になる。

顔料インクは染料インクと比較して、普通紙への浸透が少ない そのため、印刷のにじみが減り、文字のエッジなどが際立つようになる

 また、水に溶けにくいため、誤って用紙に水などをこぼしても、インクがにじまない、用紙への裏写りが少ないというメリットを併せ持つほか、耐光性/耐ガス性にも優れ、高い保存性を実現しているという。その特徴を表す一例として、同社は発表会会場で、出力見本を水槽の中につけるというパフォーマンスを行なっていた。

 普通紙は耐水性や筆記特性を上げるため、サイズ剤という薬品を含んでいる。サイズ剤は水をはじく性質があるため、親水性の高い染料インクは用紙表面のサイズ剤上に定着できず、結果としてその部分が白く残ってしまう。

 PXインクは、顔料の直近の外周にサイズの大きな親水性の樹脂を、最外周にサイズの小さな疎水性の樹脂を配することで、この問題を克服し、発色性を向上させた。

水槽の中の魚はPXインクで印刷された紙でできている。この状態でも、インクのにじみはほとんど見られなかったPXインクは、樹脂構造の改良により、普通紙に含まれるサイズ剤への定着性を向上させ、白抜けを防ぐ


●新ラインナップ「普通紙くっきり」シリーズ

 同社は、このPXインクを採用したプリンタを「普通紙くっきり」をキャッチコピーに、これまでの写真高画質印刷を謳ったPMシリーズとは別ラインナップとして展開していく。

 その第一弾プリンタが「PX-V700」。最大印刷解像度は1,440×720dpi(最小ドットサイズ3pl)、A4用紙最大150枚/ハガキ最大50枚を給紙可能で、印刷速度はモノクロ7.6秒/枚、カラー35.2秒/枚(A4)。インクカートリッジはブラック/シアン/マゼンタ/イエローの4色独立方式。

 4辺フチなし印刷機能や、印刷キャンセルボタンを搭載。インターフェイスはパラレルとUSB 1.1に対応する。

 本体サイズは470×301×237mm(幅×奥行き×高さ)で、給紙/排紙トレイは未使用時にコンパクトにたたむことができる。重量は5.2kg。

□ニュースリリース
http://www.epson.co.jp/osirase/2003/030212.htm
□製品情報
http://www.i-love-epson.co.jp/products/printer/inkjet/pxv700/pxv7001.htm


 また、複合機「CC-600PX」も同時に発売される。印刷部の仕様はPX-V700と共通。1,200×2400dpiのフラットベッドCCDスキャナを搭載し、プリンタ/スキャナ/コピー機として利用できる。

 読み取り速度はモノクロ/カラーとも8.4msec/line(1,200dpi時)。読み取り階調はRGB各色とも入力16bit/出力8bit。

 スキャンデータを内部メモリに保持することで、複数枚コピー時の出力時間の短縮化を図ったほか、A4用紙4枚を縮小してA4用紙1枚に割り付ける「4アップコピー」に対応した。4辺フチなしコピーや、余白1.5mmの「ギリギリコピー」機能なども搭載する。単体でのコピーも可能。

 インターフェイスはUSB 1.1。本体サイズは453×434×254mm(幅×奥行き×高さ)、重量は約9kg。

□ニュースリリース
http://www.epson.co.jp/osirase/2003/030212_2.htm
□製品情報
http://www.i-love-epson.co.jp/products/spc/cc600px/cc600px1.htm


●複合機シェアは40%を目指す

セイコーエプソン株式会社専務取締役の丹羽憲夫氏

 発表会では、同社首脳陣が新ラインナップの販売について意気込みなどを語った。

 セイコーエプソン株式会社専務取締役の丹羽憲夫氏は、「当社はPXインク採用機をすでに米国で発売しているが、ユーザーからは高い評価を得ており、日本国内での販売にも自信がある」とコメント。

 エプソン販売株式会社取締役社長の真道昌良氏は、現在のプリンタ市場について「プリンタ全体の市場は現在縮小傾向にあるが、複合機やダイレクトプリント機は伸びを見せている」と説明。

 その上で、「2003年度の複合機の出荷台数は90万台と予想するが、その中で今回の新製品、従来機、今後の新製品を含め、40%のシェア獲得を狙う」と意気込みのほどを語った。

エプソン販売株式会社取締役社長の真道昌良氏

 新ラインナップで同社が狙うターゲットは、業務資料、Webページ、モノクロ文書などを普通紙にきれいにかつ高速に印刷したいと考えるユーザー層。これは、競合他社はすでに抱えているが、エプソンにとっては初めて挑戦する市場。

 同社の昨年末の販売シェアは2%ダウンしているが、同社ではこれを「他社が(エプソンの得意とする)写真向け製品に注力する中、守りに入ってしまったため」と見ている。その打開策として、新シリーズで「新たな市場の創出というより、他社のシェアを奪っていきたい」としており、この市場で積極的に展開する構え。

 なお、「普通紙くっきり」シリーズのイメージキャラクターには、女優の柴咲コウさんが起用され、13日以降TV CMや広告などに登場する予定となっている。

新シリーズのイメージキャラクターに採用された柴咲コウさん 13日よりTV CMが開始される予定

□エプソンのホームページ
http://www.epson.co.jp/

(2003年2月12日)

[Reported by wakasugi@impress.co.jp]


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