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FutureMark、初のDirectX 9対応3Dベンチマーク「3DMark03」公開
2月11日(現地時間) 公開 2月11日午前10時(現地時間、日本時間12日午前3時)、ベンチマークソフトウェアベンダのFutureMarkは、同社のフラッグシップベンチマークソフトウェアである3Dベンチマークソフトウェア「3DMark」の最新版となる3DMark03をリリースした。
3DMark03は、DirectX 9に対応したベンチマークプログラムで、DirectX 9の最新機能であるバーテックスシェーダ2.0およびピクセルシェーダ2.0に対応したプログラムコードを含んでいる。ダウンロードファイルの容量は176MB。 ●DirectX 9のハードウェアを利用するテストを含む3DMark03 今回の3DMark03の特徴は、すでに述べたようにDirectX 9のハードウェア(具体的にはプログラマブルなバーテックスシェーダ、ピクセルシェーダ)を利用する点にある。といってもすべてのテストで利用されるわけではなく、4つあるゲームテストのうち1つでDirectX 9のハードウェアが利用される。 これについて同社は3DMark03を説明したホワイトペーパーにおいて「現在ではDirectX8世代のハードウェアが一般的であり、3DMark03でもDirectX8世代のハードウェアを利用するテストが大部分を占めている」と説明しており、3DMark2001および3DMark2001 SEがDirectX 7のテストが大部分で、DirectX8世代のテストが一部だったのと状況は似ていると言ってよい。 3DMark03では以下の4つのゲームがメインのテストとなっている。 (1)Game Test1 Wings of Fury 戦闘機ゲームのシーンを再生するテスト。現実のゲームで言えば、フライトシミュレーションなどに相当するDirectX 7でサポートされた球体マッピング(Cube Mapping)とModulate2xハードウェアブレンディングというハードウェアの機能を利用する。ビデオメモリは最低でも32MBが必要で、バーテックスの処理はバーテックスシェーダ1.1を利用して行なわれる。 (2)Game Test2 Battle of Proxycon 戦争中の宇宙船の内部で、敵をショットガンで撃っていくシーンを再生するテスト。3Dゲームとは定番と言える、敵をショットガンで撃っていくFPSゲームに相当する。DirectX8でサポートされるピクセルシェーダ、バーテックスシェーダを利用して描画される。ピクセルシェーダは、バージョン1.4が利用できる場合にはバージョン1.4で描画され、1.4に対応していない場合には、バージョン1.1相当の機能を利用して描画される。テクスチャに80MB、バーテックスバッファに6MB、インデックスバッファに1MBのビデオメモリが利用される。 (3)Game Test3 Troll's Lair 主人公が様々な探検をするシーンを再生するテスト。いわゆるロールプレイングゲームに相当する。Game Test2と同じくバーテックスシェーダ1.1とピクセルシェーダ1.1/1.4を利用する、DirectX8ベースのテストとなる。テクスチャに64MB、バーテックスバッファに19MB、インデックスバッファに2MBのビデオメモリが必要となる。 (4)Game Test4 Mother Nature DirectX 9世代のハードウェアである、バーテックスシェーダ2.0、ピクセルシェーダ2.0の機能を利用するテスト。空、木、草、水など自然界の様子を再現するデモで、3DMark2001のDirectX8の機能を利用したテストであるNatureテストと同じようなシーンが再生される。テクスチャに50MB、バーテックスバッファに54MB、インデックスバッファに9MBのビデオメモリが必要になる。
3DMark03のスコアは、上記4つのテストを利用して、次の計算式で導き出される。 3DMark03のスコア=(Game Test1フレームレート×7.3)+(Game Test2フレームレート×37)+(Game Test3フレームレート×47.1)+(Game Test4フレームレート×38.7) この式が導き出されたのは、ハイエンドシステムでこのテストを実行し、Game Test4が20%、それ以外のGame Test1、2、3が26.6%となるように出されたものであるという。 また、3DMark03ではいくつかの新しいテストが加わっている。その代表的なものはCPUテスト、そしてサウンドテストだ。CPUテストでは、ソフトウェアによるバーテックスシェーダの処理を行なった時のパフォーマンスが計測される。一部のGPUではハードウェアのバーテックスシェーダを持っていないことがあり、バーテックスシェーダの処理はCPUで行なわれる。そこで、新たにCPUのテストを追加したというわけだ。 もう1つの新しいテストは3Dオーディオテストだ。すでに多くのゲームで3Dサウンドをサポートしており、一度サウンドがない状態でフレームレートを計測し、その後3Dサウンドを有効にしてもう一度実行し、その差がスコアとなる。
●3Dグラフィックス戦争を左右するベンチマークソフトウェア 今回のテスト内容を見ると、DirectX8世代以降のハードウェアを持っていることが、スコアに与える影響が非常に大きいといえる。例えば、スコアのうち50%の割合を占めるGame Test2、Game Test3ではピクセルシェーダ1.1、1.4を利用して描画されるが、ピクセルシェーダ1.4を利用して描画することができる場合にはポリゴン数が少なくてすむという説明がされているため、ピクセルシェーダ1.4以降に対応している方が有利になる。 現在市場に出回っているGPUでいえば、ピクセルシェーダ1.4以降に対応しているGPUは、ATI TechnologiesのRADEON 8500、RADEON 9000、そしてDirectX 9に対応したRADEON 9700/9500と、いずれもATI製品だ。これに対して、NVIDIAのGeForce4 Tiファミリーはピクセルシェーダ1.3のみに対応で、GeForce4 MXに至ってはピクセルシェーダには対応していない。 ATI Technologies、NVIDIAという2大GPUメーカーにとって3DMarkのスコアというのは、非常に大きな意味を持っている。というのも、3DMarkは、多くのPCメディアにとって、3D描画性能を計測するためのデファクトスタンダードであるからだ。このベンチマークプログラムによる結果をのせないメディアは事実上ないと言えるため、両メーカーにとって3DMarkにおけるスコアの違いが、今後の性能競争に与えるイメージ的な影響はきわめて大きい。
したがって、NVIDIAにとって、ピクセルシェーダ1.4を包含したピクセルシェーダ2.0に対応したDirectX 9世代のGPUを早期にリリースしない限りATIとの競争で不利となる可能性が高い。NVIDIAは早期にGeForce FXを出荷し、そしてできるだけ早期にメインストリーム市場向けDirectX 9世代GPUとなるNV31やNV34などを出荷する必要があるといえるだろう。 ●実行するには1GHzのCPUと32MB以上のビデオメモリが必須 3DMark03はFutureMarkのサイトから飛べる各ダウンロードサイトよりダウンロードできる。特にレジストしないでも利用できるが、詳細結果を表示するツールを利用したり、Excelにデータを出力したり、詳細な設定を行ないたい場合にはFutureMarkよりレジストコードを購入し、3DMark03 Proバージョンへバージョンアップする必要がある。レジストにかかる費用はダウンロードで、39.95ドル。インストールに必要なシステム要件は次の通り。
■3DMark03のインストール要件 なお、公開当初からユーザーがFutureMarkのサイトに殺到したためか、同社のサイトに接続しにくくなっている。公開から4時間が経過した米国時間午後2時(日本時間午前7時)を過ぎても接続するのは難しく、ダウンロードしようというユーザーは、注意が必要だ。
□FutureMarkのホームページ(英文) (2003年2月12日) [Reported by 笠原一輝@ユービック・コンピューティング]
【PC Watchホームページ】
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