アップルコンピュータ株式会社は31日、同日から店頭販売が行なわれている新しい「PowerMac G4」について、報道関係者向け説明会を行なった。これらの製品は米国28日(現地時間)の発表にあわせ、国内でも28日夜にニュースリリースを配布。同社のオンラインストア「AppleStore」にて予約販売が開始されていた。 今回発表されたPowerMac G4は、昨年8月にリリースされた製品群のマイナーチェンジと位置づけることができる。従来、867MHzデュアル/1GHzデュアル/1.25GHzデュアルの構成だったラインナップを、1GHzシングル/1.25GHzデュアル/1.42GHzデュアルに引き上げると同時に、価格帯の見直しが行なわれた。
外観はインターフェイスの追加などにともなって一部変更されてはいるが、大きな変更は施されてはいない。また、搭載するマザーボードのアーキテクチャには同社がXserveアーキテクチャと呼び、昨年5月からXserveとPowerMac G4に採用しているものがリビジョンアップされた形で採用されている。
従来、PowerMac G4と同時にラインナップされてきたデスクトップServer製品(PowerMac G4にMac OS X Serverをプリインストールし、ストレージなどを増量して出荷)は、今回のマイナーチェンジを機に姿を消すことになる。鯉田氏によれば、これはサーバー市場がデスクトップからラックマウントへ移行していることに伴うラインナップの見直しということだ。デスクトップServerを求めるユーザー向けには、AppleStoreによるBTOオプションにMac OS X Serverを加えることで対応を続けるという。
USB 2.0が採用されないことについて鯉田氏は、「FireWire 800が現在考え得る最高の転送速度を実現し、かつ使い勝手のよいインターフェイスであるため、アップルコンピュータとしてFireWire 800を推進するため」と明言した。その上で、どうしてもUSB 2.0が必要なユーザー向けには、サードパーティ製のUSB 2.0インターフェイスを増設するPCIカードの利用を推奨するという。
また1.42GHzデュアルに標準搭載されるSuperDriveは、DVD-R 4倍速書き込みに対応したドライブが採用された。180GBモデルがBTOオプションに加わったHDDについては、すべてUltra ATA/100対応の7,200rpmの製品を揃えているということだ。 また、従来モデルでユーザーからもっとも指摘のあった運用時における冷却ファンの騒音については、dB値など具体的な数字こそ明らかにしなかったものの、「さまざまな部分に改良を加えて改善を施したつもり」とコメントされた。個人個人の感じ方という要素もあるので、実際に店頭などで確認してみて欲しいという。前回の記事と写真を比べて見てもらうとわかるが、ヒートシンクのフィンの枚数が増えているなど、一見してわかる改良点も少なくない。
同時に発表された20型シネマディスプレイは、1,680×1,050ドットの解像度で、正確に16:10のアスペクト比を実現。これは最上位モデルである23型シネマHDディスプレイのアスペクト比と同じである。20型シネマディスプレイは、これまでラインナップされていた22型モデル(1,600×1,024ドット)に比べて解像度が向上している点などをあげ、ラインナップの更新が説明された。ちなみに、20型シネマディスプレイは、Mac OS Xでのみ動作が保証される。Mac OS 9で利用した場合、画面は表示されるものの輝度調整が行なえないなど、機能的な問題が少なからず存在するということだ。
●AirMac Extremeベースステーションは2月7日から販売開始 PowerMac G4に引き続いて、ポータブル製品のプロダクトマネジャーである福島哲氏から、AirMac Extremeについての説明があった。1月8日の発表時には、1月末に出荷予定と案内されていたが、店頭では予定よりやや遅れて2月7日に販売を開始するという。ただ、BTOによるPowerBook G4 12型モデルへのAirMac Extreme Card導入については、準備のできたものから行なっているということだ。
注目されるIEEE 802.11gの採用については、すでにホットスポットなどで多用されているIEEE 802.11bとの互換性を一番大きな理由に挙げ、「IEEE 802.11aに対しては低消費電力や室内など遮蔽物のある空間での高速転送時における効率などでIEEE 802.11gにアドバンテージがあると説明した。また、802.11gの規格が現在策定中であるという点については、確定時にファームウェアのアップデートで対応が可能だ」としている。
米国ではサードパーティから2モデルが発表された拡張アンテナは、日本国内では法規の関係上、到達範囲の限られる無指向性モデルのみが販売されることになる。現在は発売元となるDr.Bott社の国内代理店との間で、販売価格や販売時期などを調整している段階だそうだ。 AirMac Extreme BaseStationの運用にあたって、クライアントとなるPCはMac OS X、Mac OS 9、各種WindowsとOSを選ぶことはないが、BaseStationの設定には、Mac OS Xを搭載したMacintoshが必要となる。これは新しい管理ユーティリティが、Mac OS X向けのアプリケーションとしてのみ提供されるためだ。従来のMac OS 9向け管理ユーティリティは利用できない。この管理ユーティリティはBaseStationに同梱される。対応するMac OS Xは、バージョン10.2以降。10.1.5でも利用可能だが、その場合は同社ホームページなどから、Networkアップデートソフトを導入する必要がある。
なお、AirPort Extreme BaseStationについては、出荷後に詳しいレポートを予定している。
http://www.apple.co.jp/ □製品情報 http://www.apple.co.jp/powermac/(PowerMac G4) http://www.apple.co.jp/airmac/(AirMac Extreme) □関連記事 【1月29日】アップル、FireWire 800搭載の新型Power Mac G4 http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2003/0129/apple.htm 【2002年8月19日】システムアーキテクチャと内部構造を一新したPowerMac G4 http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2002/0819/apple.htm
(2003年1月31日) [Reported by 矢作 晃]
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