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NEC、突然の社長交代を発表
〜金杉専務が社長就任、コンピュータ部門から連続

社長を退き副会長となる西垣 浩司氏

1月20日発表

新社長に就任する金杉 明信氏
 NECは、3月28日付けで、西垣浩司社長が代表取締役副会長に就任、金杉明信取締役専務を社長とする人事を発表した。

 西垣氏は、'99年3月に社長に就任後、2期4年の在任中に、16,000人規模の人員削減、不採算部門の売却/統合などの大胆なリストラ策を打ち出すなど、赤字脱却に向けた抜本的な構造改革に取り組んだ。

 今年度は1,000億円の黒字化の見通しで、「黒字化のめどが立ったこと、改革第2フェーズとして掲げているITと通信の融合に向けた方向性が打ち出せたこと、さらに私が体調を崩したことも影響し ている」(西垣社長)と、社長から退く理由をあげた。

発表を行なう代表取締役会長 佐々木 元氏
 新社長となる金杉専務は、西垣社長の出身母体であるNECソリューションズのカンパニー社長を務めており、西垣社長との二人三脚ぶりは古くからのもの。

 NECソリューションズは、今年度見通しで、全社1,000億円の営業利益計画のうち、約7割を稼ぎ出す収益部門となっており、NECが掲げるトータルソリューション力強化に向けた最前線部隊となっている。金杉氏の社長就任は、こうした手腕が評価されたもので、「3年間のカンパニー社長経験を踏まえ、現在のNECに最も適任となる人材」(西垣社長)としている。

 今回の金杉社長の誕生で、2人連続してのコンピュータ部門からの社長誕生となった。

・会見での一問一答

 会見には、代表取締役会長の佐々木元氏、副会長となる西垣浩司社長、新社長となる金杉明信取締役専務の3人が出席した。

−西垣社長が退任する理由は何か。

西垣 2000年3月26日に就任以来、2年4期を私なりにやってきた。ソリューション指向の社内カンパニーの設置や、ホームエンターテイメント部門の統廃合、関連会社の再統合、新たなコーポレートガバナンスの確立など、一点の方向性をつけることができた。また、大幅な赤字についても、今年度黒字回復のめどが、第3四半期(10月〜12月)を経過した段階で立ってきた。さらに、私の性格も影響しているのだが、4年間、オーバーラン気味で、体調を壊している。今後、完全分社化した半導体会社と、ITとネットワークの統合ソリューションという課題の2つの領域を見ていくことはできないと判断した。そのために、交代を決意した。

−金杉専務を社長にする理由は何か。

西垣 改革の第2フェーズとして取り組んでいる「ITとネットワークの融合」を考えた場合、金杉が適任であると考えた。金杉は2000年4月にカンパニー社長に就任以来、多様な事業構造であった体制をソフトとサービスを中核としたひとつのカンパニーに育て上げた。経営手腕は社内でも抜きんでたものがある。もともとは理系の出身だが、米国のビジネススクールで学んでおり、技術にも、ビジネスにも強く、国際性にも富んでいる。(社長の)カードを託したいと考えた。

−金杉社長はどんな企業を目指すのか。

金杉 突然の社長要請で、具体的な方針、抱負はまだ考えていない。3年間、カンパニー社長として経験したことと、西垣社長の敷いた路線を引き継いでいきたい。ITとネットワークの融合戦略によって、新しいNECの成長戦略を築いていきたいと思っている。

−社長退任を決意したのは。

西垣 第3四半期の実績が見え始め、黒字回復のめどがたった時期。最終的には2〜3週間前である。佐々木会長には、折りに触れて、半導体会社を正式に発足して、グループ経営をどうするかを考える必要があることなどを含めて、社長辞任を相談してきたが、「後任を決めてからにしろ」といわれた。

 社長のポジションに関しては、今後の1、2年を考えた場合、誰が最適なのかを優先した。責任や計画を完遂するより、最適な人にやってもらうのが一番のポイントであると考えている。今のNECにとっては金杉が一番いい道だと思っている。また、私が半導体、部品の方に、あまりにものめり込みすぎて、ソリューションの話を聞くと、うとくなってきているところもある。金杉がカンパニー社長として3年間に渡ってカンパニーを育ててきた手腕が必要だと考えた。

−金杉氏はいつ聞いたのか。

金杉 今日の午後、九州の出張から突然帰った佐々木会長から聞いた。報道が先行したことで(注・日本経済新聞が本日付け1面で報道)、驚きとある種の戸惑いをもった。年末に西垣社長から、今後の新体制を考える課程で、ひとまずの打診は受けたが、その時点では固辞した。だが、その時点から、もしそうなったらどうするか、ということを考えだしたのは事実だ。

−株主総会時点での社長交代ではないという点はどういうことか。

西垣 私も3月26日の社長就任であったし、新しい年度から新体制でやるというのは、この業界では常識化していると考えている。

−金杉氏が社長に最適だというが、本人はどう考えているのか。

金杉 私自身は最適だとは思っていないが、社長がいうのだから、そうかもしれない。私は楽観的であるのと同時に、様々な環境に遭遇した際にも、ひとつの人生観をもって自然体でやっていけると思っている。また、部下の長所を伸ばして、組織を動かしていくやり方をとる。難局を乗り切る、ひとつの経営のスタイルとして、このやり方をやっていきたい。

−就任時点から2期4年で退任するつもりだったのか。

西垣 当時は、もっと短くワンポイントという噂もあったぐらいだが、最初から決めていたわけではない。瞬間瞬間に、一気にやるというのは私の欠点でもあるが、うまく作用した部分もある。金杉の人材を生かしていくという特徴は、私にとってはうらやましい性格。私はどうしても自分で突っ込んでいってしまう。それが、この4年間だったというわけだ。

−西垣社長が就任する副会長職は、これまでになかったポストだが。

佐々木 一時期、副会長ポストがあった時期もある。今回は、半導体事業の別会社化、電子部品の関連会社への移管などを見てもわかるように、単独よりも連結としての事業が重視される。グループとしてのガバナンスをどうするか、といった点が重要になってきた。

 金杉新社長は、西垣社長に代わり経営全般を担当し、西垣は半導体分社を含むグループ会社全般を見る。そして私は、取締役会の議長、株主総会の議長として、あるいは対外活動などを担当することになる。

−西垣社長による改革は終了したと考えていいのか。

西垣 現在進行している第2フェーズは、方向性は得られたが、実施はこれからだと考えている。やり残したといえば、やり残した。また、半導体の分社化についても、上場し、資金調達の道を探るという重要な役割が残っている。一方、通信事業に関しても、移動帯通信事業といった毛色の違い、ひとつの独立したように見える事業をどう位置づけるかという問題もある。第2フェーズは完成したとは思っておらず、これを金杉新社長が推進していくことになる。

−NECの黒字は恒常的に続いていくのか。

西垣 恒常的かどうかはわからないが、いまの体質を絞り込んでおり、新しい年度も、いまより状況が悪くならなければ、さらに黒字幅は拡大することになるだろう。

−社長時代に最も大きな決断はなんだったか。

西垣 半導体の分社化が、決断としては最も重かった。社内カンパニー制を敷いていたが、あくまでも経営指標はひとつのもので見るという形であり、完全な分社化は将来のNECグループのあり方を大きく変えるポイントになると考えている。これが一番印象に残っている。

−総会屋とのつきあいが取りざたされるなど、負の遺産の問題もあるが。

西垣 私は、総会屋とつきあっているつもりはない。また、経営環境についてもきちっとした体制ができていると考えている。

−関本前相談役との確執もあったが、それが退任の原因ではないのか。

西垣 関本前相談役とは、私の性格的な面もあって、突っ走りすぎたことや、必ずしも意見があわなかったこともあった。ただ、我々がやってきたことをキチッと説明して、わかっていただいたと思っている。私は、改革を急ぐことで、スピードを優先した。その点ではお詫び申し上げた。

−関本氏の解任報道の時には、もう少し強い調子での対立が見られたが。

西垣 解任の決議があったときには、信頼関係が失われたという表現をしたが、遡るとスピードを重んじたがためのこともある。だが、考え方を変えたわけではない。

−今回の社長交代は、関本氏との確執の矛先が、西垣氏個人に向いていたため、それをかわすことや、あるいはこれに関連して、企業イメージを下げたことの引責辞任ではないのか。

西垣 責任をとってということではない。2期4年というひとつの区切りに対して、全力を挙げてきたが、ここで一度フェーズを変えた方がいいと考えた。私は私の経営スタイルでやってきた。これについての責任というのはない。一線から身を引くということもあるだろうが、いままでの経験を生かして、グループ経営体制における役割があると考えている。

−新定年制度によると、また来年度に、会長が交代ということになるが。

西垣 定年制度は案の段階であり、最終決定したわけではない。今後決定していく事項である。

佐々木 新しいグループ経営形態のなかで、会長、副会長の役割分担が必要である。今後1年間の推移を見て、トップ構造の改革が必要かどうかを見ていきたい。

−NECの強みと課題はどこにあると考えているか。

金杉 自信をもっているのはソリューション事業の強みである。オープン戦略も他社に先駆けてやってきた。オープンミッションクリティカルによるSI事業は、当社の大きな特徴だ。また、ネットワーク事業はトップ企業であり、インターネットの普及やIPネットワークの広がりのなかで、今後は、ITとネットワークの統合ソリューションを強みとしていきたい。

 課題は、グローバルな事業展開を、成長戦略としていかにスピードアップさせることができるかだと考えている。すでに、NECネットワークスがグローバル展開をしているように、ソリューションのグローバル展開をすすめたい。

−NECソリューションズの金杉カンパニー社長の後任は誰になるのか。

西垣 NECソリューションズは、4月以降もそのまま残すのかどうかを含めて新体制を考えている。それに関してはこれから考えたい。新体制は、NECソリューションズとNECネットワークスを融合させるということを含めて、あらゆる可能性がある。

−4月には大きな組織改革があるということか。

西垣 これから金杉を中心に検討していくことになるが、今のカンパニー制が残るとは考えにくく、新しい形が何らかの形で発表できると考えている。

金杉 新体制については、文字通り、これから考えていくことになる。事業を遂行していくラインはできる限り大きな変更をしないでおくつもりだが、新体制は、2カ月かけて関係者とともに決めていきたい。

□NECのホームページ
http://www.nec.co.jp/
□ニュースリリース
http://www.nec.co.jp/press/ja/0301/2002.html
□略歴
http://www.nec.co.jp/press/ja/0301/2002-01.html
□関連記事
【2002年5月16日】NEC、リストラを推進、半導体事業も分社化
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2002/0516/nec.htm

(2003年1月20日)

[Reported by 大河原克行]


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