会場:San Francisco The Moscone Center スティーブ・ジョブズCEOによる基調講演で発表された新しいPowerBook G4は、展示会場で実際に手にすることができる。17型モデルと12型モデルが展示台に交互に並べられ、すべてIEEE 802.11gに対応する「AirPort Extreme(日本向けはAirMac Extreme)」を使った54Mbpsのワイヤレス接続によってさまざまなデモが行なわれていた。本稿では速報として、ニュースリリースからはわかりにくい部分を写真を中心に紹介する。 ●ノートブックでは最大の17型ワイド液晶を搭載 17型のワイド液晶を搭載するPowerBook G4(以下、17型モデル)。従来モデルのチタン(元素記号:Ti)から、無塗装のアルミニウム(元素記号:Al)に外装が変わっている。インターフェース類は、背面から両側面へと移動。本体と液晶パネル部分をつなぐヒンジ部分は、現行のiBookとほぼ同じ構造へと変更されている。加工のしやすさからか、角の部分のアールがよりなめらかになっているのも一目見てわかる特徴のひとつだ。トラブルの多かったスロットインドライブの周囲もプラスチックで補強されるなど、PowerBook G4とiBookのいいとこどりをしたうえで、完成度を増したというのが第一印象である。 17型モデルには1GHzのPowerPC G4が搭載されており、システムバスは167MHz。これは同社のノートブックでは初めて採用されるシステムバスとなる。512MBのDDR(PC2700)メモリを標準搭載しているので、同じ1GHzの15型モデルよりも、より高速に動作するものと予測される。デモンストレーションに使われていたMac OS Xは10.2.4で、現在出荷されているものからわずかにビルドがあがっていた。Appleシステムプロフィールによれば、内蔵されているBluetoothはUSB接続となっている。両側面にひとつずつ用意されているUSBインターフェースは、それぞれ独立した2系統になっていて、それぞれに内部接続のBluetoothとV.92の内蔵モデムが接続されているようだ。
同社が世界初という発光するキーボードは、従来のトランスルーセント系から、メタリック風の塗装に変わっている。そして文字部分だけが透過するようになっているので、暗い場所ではキーボード上の文字が浮かびあがる構造だ。周囲の明るさを感知するセンサーはスピーカーのそばに設置されているようで、そこを手などで覆い隠せば発光する様子は見て取れるが、展示ホールのような明るい場所ではいまひとつ効果が分かりにくい。この光センサーはキーボード下のバックライトをON/OFFするだけでなく、液晶パネルの輝度を自動的に変更するという機能にも使われているという。 メモリ増設は背面にある蓋をレンチなどで取り外して行なう。17型モデルの場合、AirPort Extreme(AirMac Extreme)カードは標準搭載されているので、ユーザーによる増設作業の必要はない。従来モデルのようにキーボードを簡単に取り外すことはできないようになっている。 インターフェース部分や、従来モデルとの大きさの比較は写真で紹介する。
●PowerBook史上最小モデルとなる12型PowerBook G4 一方、12型液晶を搭載するPowerBook G4(以下、12型モデル)は、現行のiBookの正当進化形といったイメージだ。外装部分は17型と同じアルミニウム素材を採用し、1.2インチの厚みは現行のiBookよりも若干薄くなっている。やはり、PowerBook G4と17型モデルと名称が統一されたことで、デザインの共通性は高い。 867MHzのPowerPC G4は、133MHzのシステムバスが採用されている。標準搭載メモリは256MBのDDR(PC2100)メモリだ。メモリ増設は17型モデル同様に、底面のパネルを取り外して行なう。オプション扱いとなるAirPort Extreme(AirMac Extreme)カードは、バッテリの下に位置する。
デモ機に搭載されているMac OS Xは、10.2.3だが、ビルド自体は若干上がっているものが使われている。ちなみに、17型、12型とも起動システムとして利用できるのはMac OS Xだけだ(Classicは搭載されているので、OS 9対応のアプリケーションの起動はできる)。 12型モデルのキーボードは、17型モデルとほぼ同等のものが搭載されているが、こちらは残念ながら発光しない。キータッチや質感は悪くないようだ。インターフェース類は、左側面に集中。右側面にはスロットイン式の光学式ドライブが搭載されている。標準はDVD-ROM/CD-RWコンボドライブだが、AppleStoreによるBTOでは、SuperDriveの選択も可能となっている。
□Macworld Conference&Expoのページ(英文) (2003年1月8日) [Reported by 矢作晃]
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