会場:San Francisco The Moscone Center Macユーザーにとっての元旦ともいうべき、サンフランシスコでのMacworld Conference&Expoの開幕が今年も近づいてきた。明日7日(現地時間)に行なわれるスティーブ・ジョブズCEOによる基調講演を幕開けに、10日まで4日間の会期で開催される。 会場になるThe Moscone Centerでは、前日にあたる6日にユーザー向けカンファレンスなどがスタートしているほか、慌ただしく出展の準備を行なう会場設営スタッフが行き来し、事前登録を行なう来場者なども訪れはじめるなど、朝早くから人の動きが絶えることがない。 展示ホールに向かうエントランスやコンコースを見渡せば、お馴染みの“内容が隠された懸垂幕・横断幕”は昨夜にでも作業をしたのか、すっかり準備が整っていた。わずかに開いたドアから警備スタッフの視線を気にしつつ展示ホール内をのぞき込むと、いつもどおり暗幕を周囲にめぐらせた中で設営作業を進めるApple Computerのブースが目に入った。今回も、少なくともまだ見せるわけにはいかない“何か”が存在するということだろう。 昨年末あたりから一部のニュースサイトから噂系のサイトまで新製品予想がかしましくなってきてはいるが、今回は内容に統一性を欠いていて、予想や願望の域をでないようなものが少なくない。 昨年には、現行のPowerMac G4の情報を事前に流したとして同社が元社員を訴えたというケースもあり、情報統制はいっそう厳しさを増しているようだ。販売店などからは、iMacやeMacそしてPowerMac G4などのデスクトップ向け製品の流通が縮小しているという話も聞こえ、これらのラインナップがバンプアップされるというのがやや有力なセンと言えなくもない。他にもiアプリケーション関連で何らかの動きがありそうな気配である。 2003年を迎えたことで、昨年パリのApple expoで発表された“Mac OS Xでのみ起動するMac”が現実の製品としていよいよ登場することになる。その一方で、教育市場やDTP市場の雄Quark社からの要望によってMac OS 9がさらに延命することをApple Computerの幹部が認めたという報道もある。こうした疑問に、ジョブズCEOは基調講演の中でいかに回答を出していくのかも注目すべき点になろう。 その基調講演は昨年同様にWebcastが行なわれるので、日本からもQuickTimeを使ったStreamingで見ることができる。日本時間では7日深夜となる26時(8日午前2時)からという遅い時間帯だが、熱心なMacユーザーにとっては眠れない夜ということになるはずだ。また今年は同日午後に開催されるパネルディスカッションに、AppleIIの設計者であるスティーブ・ウォズニアック氏が登場するので、Apple Computerの創業者2人が同日に講演を行なうという見所もある。 いまだ正式な発表こそないが、Macworld / Tokyoの開催見送りは現実のものとなった。主催者であるIDGが公表しているスケジュールからは姿を消し、アップルコンピュータの原田永幸社長も、ユーザーグループを対象にした席で開催見送りを事実上認める発言を行なっている。 7月のニューヨーク開催はIDGのスケジュールに入っているが、2004年からのボストン移行を巡っての対立で、Apple Computerが出展するかどうかはまだ公式にアナウンスされていない。 こうした微妙な状況が継続する中、サンフランシスコでのMacworldが開幕する。PC Watchでは、ジョブズCEOの基調講演をはじめとしたレポートを連日、現地からお届けする予定だ。
□Macworld Conference&Expoのページ(英文) (2003年1月7日) [Reported by 矢作晃]
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