[an error occurred while processing the directive]

大手IT企業が年頭挨拶を公開
~不況への言及と技術志向が特徴

1月1日 公開


 例年は始業日以降に公開されることの多い、各企業代表取締役の年頭挨拶だが、今年は1月1日付けで、NEC、日本IBM、富士通、日本HPなどが自社のWebサイトに公開した。

 今年の特徴は、独自技術の訴求が目立つことだ。各社とも、顧客とのネットワーキングなどソリューション系の訴求が中心で、PCへの言及は少ないが、今年の動向を知る一助として紹介する。

 また、6日以降に公開された年頭挨拶/所感については、別途リンク集の形で随時更新する。

●日本電気株式会社(NEC)

 NECでは、代表取締役社長 西垣浩司氏が新年の挨拶を公開している。

 まず、「現在の世界経済を見てみると(中略)、全体的には停滞感が漂い、先行きも不透明な状況にあります」としながら、「人間にイノベーション(革新)への欲求と、それを実現する能力がある限り、必ずや現在の停滞感を打破」できると、希望を述べている。

 そして自社の役割を「Empowered by Innovation(エンパワード バイ イノベーション)"」というスローガンで表し、「NECは革新的な技術を生み出し、それらの技術を基にお客様のイノベーションを支援するための新しいソリューションを提案させていただく」ことと位置づけている。具体的な技術としては、コンピュータと通信を統合したシステムモデル「Hub & Net」に言及している。

□2003年 新年の挨拶
http://www.nec.co.jp/slogan/ja/2003message.html

●日本アイ・ビー・エム株式会社

 コンピューティングと通信の融合については、日本IBMの代表取締役社長 大歳卓麻氏の挨拶でも主体を占めている。

 IBMでは、「e-ビジネスはここ数年、ネットへのアクセスから、企業内のさまざまなビジネス・プロセスの統合の段階へと大きく進化」したとし、「今後、企業内のみならず外部の企業や機関ともネットワークを通じてプロセスを連携する段階に進展」するとネットワークの広がりに言及し、その動きを「e-ビジネス・オンデマンド」というキーワードで表している。

□リードストーリー 謹賀新年
http://www-6.ibm.com/jp/lead/030101.html

●富士通株式会社

 より具体的に技術的なキーワードが盛り込まれたのが、富士通の代表取締役社長 秋草直之氏の挨拶だ。

 全体の状況については「ITの世界は、技術革新が激しく、大きな波が利用者を追い越す勢いで発生し、今は大きな波の底にあります」としながらも「確実にネットワーク社会は拡がり、あらゆるところに浸透しつつあることは紛れもない事実です。前へ前へと向かっていることはハッキリしています。新しい波が、また必ず来ると思っています」と未来への希望を述べている。

 そして、「技術面で見れば、ブレード化やグリッド化などサーバにおける新たなトレンドや、Linuxの利用拡大、オールIPや光などのネットワークの進展があります。利用面ではモバイル利用が加速し、更にユビキタス・ネットワークなどが現実のものとなりつつあります」としており、イメージが具体的で鮮明だ。

 また、昨年後半から明らかになってきた同社のLinux指向が全社的な方針であることを伺い知ることができる。

 また、サービス事業への注力を重要な軸としながらも、「最先端技術の開発をさらに推進し、電子デバイス、プラットフォーム製品、サービス等の総合的な技術力を結集したソリューションビジネス」とデバイスへの言及があることにも同社の指向が表れている。

□2003年 年頭挨拶
http://pr.fujitsu.com/jp/profile/akikusa/2003/newyear.html

●日本ヒューレット・パッカード株式会社

 さらに技術指向と覇気が感じられるのが、日本HPの代表取締役社長 高柳 肇氏の挨拶だ。「21世紀のテクノロジー・リーダーを目指して」という副題もつけられ、これが単なる挨拶ではなく、内外に向けた宣言であることが感じられる。

 冒頭から「昨年を振り返ってみますと、弊社にとりましてはまさに激動の一年でありました。IT産業史上最大の合併を行い、業界のリーダーとしての第一歩を踏み出した年でありました」とし、「合併の目的は明確です。IT業界の中でテクノロジー・リーダーとなることであります」と述べている。

 そして、「これまでの歴史を見ても、先進的なテクノロジーが革新的なITソリューションを生みだし、それが新しいマーケットを創出してきたことは明らかです。テクノロジーの先進性が、21世紀のIT企業の死命を制するものであることは論を待ちません」と断言する。

 注力する分野は、「(HPは)IAおよびUNIXサーバをはじめ、PCからスーパーコンピューティング、NonStopサーバ、ストレージ、プリンタ、そしてコンサルティングやSI、サポートなどのサービスを含むあらゆる分野」と全方位だが、「2003年には、IAによる64ビット次世代コンピューティング時代が訪れますが、ご高承のとおりHPはすでにその次世代64ビットプロセッサにおいて、アーキテクチャをインテルと共同開発しており、今年新たな製品が誕生いたします」とIA-64への関与の大きさを強調している。

 オペレーションの複雑化や製品ラインの重複などの負の面が語られがちなHPとCompaqの合併だが、テクノロジーリーダーへのステップであり好機であるという宣言であり、新年への期待を抱かせる挨拶であるといえよう。

□2003年 年頭のごあいさつ
21世紀のテクノロジー・リーダーを目指して
http://www.jpn.hp.com/info/company/coverstory/takayanagi_ny.html

□関連記事
2002年各社年頭挨拶リンク集
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2002/0107/sinnen.htm

(2003年1月6日)

[Reported by date@impress.co.jp]


【PC Watchホームページ】


PC Watch編集部 pc-watch-info@impress.co.jp
個別にご回答することはいたしかねます。

Copyright (c) 2003 Impress Corporation All rights reserved.