塩田紳二のPDAレポート

ソニー クリエ PEG-NX70V
ファーストインプレッション



 PalmOS 5.0を搭載したソニーのPalmOS機「クリエ PEG-NX70V」が、19日に発売となった。今回は、その概要と印象などについてレポートしたい。

 PEG-NX70V(以下NX70V)は、CPUにIntelのPXA250 200MHz(XScale)を採用、OSには、PalmOS 5.0を搭載している。メインメモリはRAM 16MB、ROM 16MB、ディスプレイは320×480ドットのTFTカラー液晶で、最大65,536色の表示が可能。拡張スロットとしてメモリースティックスロットのほかに、通信専用のCFスロットを内蔵する。その他細かいスペックはクリエのサイト( http://www.sony.jp/products/Consumer/PEG/PEG-NX70V/spec.html )をごらん頂きたい。

●意外に強い回転部分

 匡体は金属のようで剛性は高いようだ。表面は梨地(細かいザラザラがついている)になっており、持ったときに手を滑らせてしまうということはなさそうだ。

 従来のNR70シリーズ同様、携帯電話のように2つ折りになる。液晶部分が180度回転し、液晶を表にした状態で利用できるのも同様だ。回転部分は1本の軸しかなくちょっと不安だが、弱そうなのは回転途中だけで、回転の両端の状態では、支えが入るために液晶の先端部分を持って開け閉めしてもぐらつきなどは感じない。

折りたたんだ状態と開いた状態。閉じておけば、液晶面を保護することができる

 NR70シリーズとの外見上の大きな違いは、背面に設置されたCFスロット。裏側がくさび状に飛び出しており、閉じた状態で最大6.8mm、NR70Vよりも厚くなっている。また、重量も増加しており、従来機種のNR70Vが約200gだったのに対して、このNX70Vは、220gとなった。

●クリック感のあるキーボード

 このNX70Vは、ヒンジ部分に回転式のカメラを内蔵しているが、カメラ無しのNX60も用意されている。

 ステレオヘッドホン(リモコン付き)を接続することも可能。本体左側にはこの専用ヘッドホンコネクタやジョグダイヤル、バックボタン、ホールドスイッチやカメラ用キャプチャボタン(ヒンジ部分)とスイッチ類が集中しており、持ったまま親指だけ(右利きの人の場合)でほとんどの操作が可能になっている。実際に使ってみると、開いて使ったときに親指でジョグダイヤルとバックボタンを操作できるように持つと、長い棒の端を持ったときと同じようになり、かなりの重みを感じる。もう少しジョグダイヤルとバックボタンが上のほうにあるほうが持ちやすいだろう。

 開いて使うとNX70Vは、キーボードでの入力が可能になる。キーボードは、キートップは凸状になっているが、シートタイプでクリック感があるのは好ましいのだが、両手でないと操作がし難い。FNやALTキーがトグル動作しないので、2つのキーを同時に押さねばならないからである。数字記号用のシフトモード(NUMモード)は用意されているが、このモードをON/OFFするためには両手で操作しなければならない。以前紹介したTreo 90では、こうしたシフトキーがすべてトグル動作になっており、2アクションだが、片手で操作が可能だった(FNボタンを押したあとシフトさせたいキーを押す)。

NX70Vのヒンジ部分には、カメラ、メモリースティックスロット、IrDA受発光部、CFスロットが装備されている 本体左側面には、ボタンが集中配置されている。写真右からキャプチャボタン(ヒンジ部の丸いところ)、ヘッドホンジャック(リモコン対応)、ジョグダイヤル、バックボタン、ホールドスイッチとなっている

●オプションのワイヤレスLAN CFカードはIntel製

 NX70Vには、USBクレードル、ACアダプタ、プラグアダプタ、ハンドストラップ、リモコン付きヘッドホン、スタイラスなどが付属する(他にマニュアル3冊とソフトウェアの入ったCD-ROMなど)。

 通常は、クレードルにACアダプタを接続して使うが、外出先で充電するような場合には、プラグアダプタを本体底部のインターフェースコネクタに装着してACアダプタを接続する。このプラグアダプタには、ミニUSBコネクタもついており、HotSync用にも利用できる。

 付属のヘッドホンは、リモコンとヘッドホン部分が分離するもので、リモコンの端の部分をスタイラスとして使えるようになっている。

 一緒に発売された「ワイヤレスLANカード PEGA-WL100」は、Type 1 CFサイズ(ただし、上部はスロットから飛び出す)で、背面を見るとなんとIntel製。機種名として「Intel PRO/Wireless 2011B LAN CF Card」という記載がある。ソフトウェアがCD-ROMで添付されており、インストールすることで無線LANの利用が可能となる。WEPも128bitまで対応しており、通常の使用であれば問題はないだろう。

付属のクレードルと、それに装着したNX70V。手前に見える白いものはスタイラスホルダ。NX70Vを置く部分は、透明になっており、SONYとCLIEのロゴが入っている。その他の部分は、本体と同じような表面仕上げになってる オプションのワイヤレスLANカードPEGA-WL100を装着したところ。このCFカードはもともと上部が飛び出すようになっているが、スロット自身がいわゆるCFサイズでも上部が少し出るような作りになっている

●速度の違いを体感できる

 高速なCPUを採用しているため、各種の操作などでそのスピードを体感できる。特にスピードを感じるのはUSB経由でのホットシンク時である。従来のPalm機では、USBを使っていてもHotSyncには意外に時間がかかった。たかだか8〜16MBのメモリしかないのにかなり待たされる感じであったのだが、NX70Vでは、これがあっという間に終わってしまう。少なくとも、他のPalm機に比べると格段にスピードが違うようである。

 内蔵カメラを使うアプリケーションでも、画面書き換えは十分実用的な速度である。もっとも、多少ギクシャクした表示にはなり、初期の頃のデジタルカメラ並だ。

 画面は標準状態でハイレゾリューションとなっており、高品質なフォントを使って表示されている。グラフティエリアはソフトウェアで表示するもので、ハイレゾリューション対応ソフトウェアであればON/OFFが可能。小さいフォントを使うと一画面にかなりの情報を表示できる。

 今回は、入手直後のレポートであり、PalmOS 5.0の互換性や、その他の機能については、別途解説する予定である。

ジョグダイヤルを使った新CLIE Launcher。左側部分によく使うアプリケーションを登録して1タップで起動可能 ハイレゾリューション表示となっているため、予定やアドレス一覧、メモなどは、小さいフォントで16行程度の表示が可能になる。横方向には半角で36文字程度となる。また、大きな文字での表示はかなりきれい
グラフティエリアを表示させると、11行程度の表示となる。ハイレゾリューションに対応していない従来のアプリケーションでは、この表示状態となる 付属するWWWブラウザNET FRONTでのブラウジング画面。さすがにPCを想定した画面の表示はスクロールが必要だが、HTMLの再現性はかなり高く、見栄えについてはPC並のようである

●現状、最高性能のPalm機

 NX70Vの気になる点は、大きさと重さだ。これだけのスペックを詰め込んだのだから、重量が増え、筐体が大きくなる(高解像度の液晶を採用しているので)のはしょうがないところだが、ワイシャツの胸ポケットに気軽に入れられるものではない。手元にあったCompaqのPocketPC H3890よりも大きく重いし、筆者が普段持ち歩いているTreo 90に比べるとかなり大きな印象がある。

 だが、NX70Vは、世界で初めてPalmOS 5.0を搭載したマシンであり、そのスピードやスロットによる拡張性、内蔵カメラや音楽再生機能と、夢のようなスペックを持つPDAだ。スペックを取るか、サイズを取るか? 悩ましい選択ではある。

PocketPC Compaq H3870とHandspring Treo 90とのサイズ比較。サイズ、重量ともジャケットを付けないH3870を上回る。ちなみにNX70Vは、72.3×136.0×23.5mm/220g、H3870は84×134×16mm/190g、Treo90は71.1×106.7×16.5mm/113gである
□ソニーのホームページ
http://www.sony.co.jp/
□クリエのホームページ
http://www.sony.jp/CLIE/index_pc.html
□製品情報
http://www.sony.jp/products/Consumer/PEG/PEG-NX70V/index.html
□関連記事
【10月2日】ソニー、XScaleとPalm OS 5を搭載したクリエPEG-NX60/70V
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2002/1002/sony.htm

(2002年10月21日)

[Text by 塩田紳二]


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