CeBIT asia 2002レポート:会場編

Albatronの銀版マザーボード、SamsungのHDDオーディオプレーヤーが参考出品

会期:9月2日~5日

会場:上海新国際博覧中心
    (SHANGHAI NEW INTERNATIONAL EXPO CENTER)



上海新国際博覧中心の展示ホール

 中国の上海市において、CeBIT asia(アジア国際事務・情報・通信技術見本市)が2日より開催されている。

 CeBIT asiaは上海新国際博覧中心の11,547平方mの展示ホール4つを使って開催されている。そのうち1つはカンファレンス用で、のこりの3つ(計34,641平方m)に各企業がブースを展開する。計34,641平方mは東京ビックサイトの東1~4ホールを合わせたのと同じくらいで、日本の大きめの展示会とほぼ同様の規模となっている。

 ここではPC関連製品を中心に、会場の様子をレポートする。

■対照的なAMDとIntelの展示

 AMD、Intelの2大CPUメーカーのブースは、すでに日本で発売されている製品の展示がほとんどで、とくに目新しいものはない。が、両者の傾向はまったく対照的だ。

 AMDではAthlon、Duronを搭載した多数のパフォーマンスデスクトップPCやスリムデスクトップPCといったデスクトップ製品を中心に、デュアルプロセッサのサーバーも展示。ゲームのデモを行なうなど、コストパフォーマンスを強調した内容となった。また、「第8世代CPU」としてOpteronチップと対応マザーボード、搭載機を展示している。

 一方Intelでは、モバイルPentium 4を搭載したノートPCと無線LANといった、モバイル製品を中心に展示。飛行機の客席を模したブースにノートPCを展示したり、プレスセンターにノートPCと無線LANを提供するなど、まだまだデスクトップPCが主流の中国市場において、モバイル市場を開拓しようという意欲を見せている。

“第8世代CPU”Opteron対応マザーボードとチップセット、CPU、搭載機を展示。搭載機のデバイスマネージャには「ClawHammer」と表示されていた
多数のデスクトップPCを展示。パフォーマンスデスクトップPCのほとんどは台湾製、スリムデスクトップはソニーのバイオなど日本製がほとんど 台湾のComptexでも配っていたHammer風船は、上海でも人気 Intelは飛行機の客席を模したブースでノートPCと無線LANをタッチ&トライ。ブースにあったPCはすべてノートタイプだった

■AOpenは真空管マザーボードを、Albatronは銀版マザーボードを

 地理的に近く、言語が同じこともあって、中国市場進出を狙う台湾メーカーは多い。CeBIT asiaにもVIA、Eliteなどの大手メーカーらが出展しているほか、小規模ブースを集めた台湾パビリオンが設けられている。

 扱われている製品はマザーボードのほかマウスや低画素デジタルカメラなど、台湾メーカーが得意とするもの。6月のCOMPUTEX TAIPEIからそのままブースを持ち込んだようなメーカーもあり、さながら“プチCOMPUTEX”といった様相を呈している。

 こうした中でAOpenは、COMPUTEX TAIPEIで発表した真空管マザーボードをメインに展示、注目を浴びていた。音質を強調した展示となっており、このような付加価値が中国市場でも求められている様子がわかる。

 また、台湾の新興メーカーAlbatronは基板が銀で覆われたIntel 845G搭載マザーボード「銀版PX845G/E」やOpteron対応マザーボード「KX8HT」を参考展示。銀版PX845G/Eは耐磁/放熱にすぐれ、製造時の環境インパクトが少ないという。

AOpenブースの真空管マザーボード「AX4B-533 Tube」。音質のよさを強調していた AOpenの「MK79G」。7月に発表されたnForce2-GTを搭載するマザーボード
AlbatronはOpteron対応マザーボード「KX8HT」を展示 ボード上を銀で覆ったAlbatron「銀版PX845G/E」 VIAはセットトップボックス、組み込み製品、スリムPCなどEdenプラットフォームの応用例を多数展示。その1つとしてCOMPUTEX TAIPEIでも展示したTablet PCを展示。起動時に、CPUは「C3 Ezra processor 667MHz」と表示された

■松下以外の日本企業のほとんどは企業向け

 ミノルタ、パイオニア、マクセルなどの企業が出展しているが、どこも企業向けソリューションの展示が主体。エプソン、キヤノン、京セラではデジタルカメラや携帯電話、家庭向けのプリンタなどを展示しているが、これらはおまけ程度の内容で、メインはオンデマンドプリンティングやプロ向けイメージング機器となっている。

 そんな中、松下電器は地元の携帯電話キャリア「China Mobile(中国移動通信)」の隣に大規模ブースを構え、ノートPC、デジタルカメラ、DVカメラ、デジタルオーディオプレーヤー、携帯電話といったコンシューマー向け製品を主体に展示。また、日本で発売されているテレビ電話機能付きFOMA対応端末も参考展示していた。

松下電器のブース。会場入り口に近く、隣には地元の携帯電話キャリア「中国移動通信」のブースがある好立地 松下電器のデジタルオーディオプレーヤー「SV-SD50」 キヤノンブースでは家庭向けとしてインクジェットプリンタやDIGITAL IXY、Power Shot A100/S30などのデジタルカメラが展示されている

■コンシューマー向け展示で気を吐くSamsung

 韓国のSamsungも松下電器と同様の大規模ブースに、多数のコンシューマー向け製品を展示している。日本でもおなじみのCRT及び液晶ディスプレイのほか、日本では販売されていないプリンタやPDPも展示されている。また、1.8インチ10GB HDDを搭載したポータブルデジタルオーディオプレーヤーや30万画素デジタルカメラ付きボイスレコーダなど、未発売の製品を参考展示した。

Samsungのデジタルオーディオプレーヤー「YP-900」。どことなくiPod似な筐体に1.8インチの10GB HDDを搭載。USB 2.0とMP3、WMAに対応し、FMラジオも内蔵する Samsungの30万画素デジタルカメラ付きボイスレコーダ「VY-H700」 Samsungのプリンタ「ML-1220M」。ポップな外観だが600dpiのレーザープリンタ。Windows、Macintoshのほか、Linuxもサポートする

■地元中国のメーカーは

 当然地元中国のメーカーも出展しているが、ほとんどは携帯電話メーカー。携帯電話やモバイル機器については稿を改めてレポートするとして、それ以外のメーカーは液晶ディスプレイやドライブなどの周辺機器を展示していた。

Norcent(上海宏盛科技)のPD200。USB 1.1接続の6倍速ポータブルDVD-ROMドライブだが、Sビデオ出力とDTSデコーダを備えており、単体でテレビに接続してDVDビデオ、Video CD、MP3の再生が可能。ストリートプライスは約1,500元(1元=約15円)の見込みという Norcentの18型TFT液晶ディスプレイ。インターフェイスはD-Sub 15ピンのみ。ストリートプライスは約8,000元の見込み

□CeBIT asiaのホームページ(英文)
http://www.cebit-asia.com/
□ドイツ産業見本市日本代表部のCeBIT asia紹介ページ
http://www.hannovermesse.co.jp/CeB-A.htm
□関連記事
【9月2日】CeBIT asia 2002レポート:前日編
広大な会場に日中台欧の多数の企業がブースを設営
http://www.hannovermesse.co.jp/CeB-A.htm

(2002年9月3日)

[Reported by tanak-sh@impress.co.jp]


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