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NEW PRODUCTS TESTREPORT

ATI テクノロジーズジャパン
RADEON 8500 / RADEON 8500LE
人気ビデオカードのビデオメモリ128MB版
TEXT:天野 司 Tsukasa Amano


RADEON 8500/RADEON 8500LEともにInfineonのDDR SGRAM、HYB25D128323C-3.6を採用している
 ATI TechnologiesのRADEON 8500(以下、RADEON 8500 GPUと表記)は、同社のGPU(Graphics Processing Unit)、RADEONシリーズの最上位にあたるチップだ。4本のレンダリングパイプラインと2つのテクスチャユニットを持ち、プログラマブルなバーテックスシェーダーとピクセルシェーダーに対応することで、高い表現能力を誇る。とくにピクセルシェーダーは、GeForce4 TiシリーズがDirectX 8.1におけるPixel Shader 1.3までのサポートとなるのに対して、RADEON 8500 GPUではPixel Shader 1.4をサポートしており、DirectXとの親和性は高い。

 このRADEON 8500 GPUを搭載したビデオカードには、コアクロック周波数275MHzのRADEON 8500、250MHzのRADEON 8500LEなどが存在するが、これらを搭載した製品は、いずれもビデオメモリの容量が64MBであった。今回紹介するのは、価格は据え置きのままビデオメモリを128MBに拡張した「RADEON 8500」と、「RADEON 8500LE」という2つのビデオカードだ。

 64MB版のRADEON 8500とRADEON 8500LEのビデオメモリはいずれもTSOP IIパッケージのDDR SDRAMであったが、128MB版ではいずれもFBGAパッケージを採用したInfineon製のDDR SGRAM HYB25D128323C-3.6(275MHz動作保証品)に変更された。チップはボードの表裏にそれぞれ4つずつ搭載されている。

 メモリクロックは8500が275MHzのDDR動作で550MHz相当、8500LEが250MHzのDDR動作で500MHz相当となる。つまり、8500LEは余裕がある仕様となっているわけだ。64MB版でSDRAMだったメモリが128MB版でSGRAMに変更された理由だが、製品スペックにあえてSGRAMであるということを記述していない点を見ると、パッケージや容量、性能などで選んだときに適切な選択がSGRAMしかなかったためと思われる。ちなみに、このメモリチップには250MHz動作保証品が存在しない。8500LEで275MHz動作保証チップが搭載されているのはこのためかもしれない。

メモリまわりなどの設計が変更された128MB版のRADEON 8500。8500LEではDVI端子が存在しない
 RADEON 8500の映像出力はプライマリコネクタが一般的なD-Sub15ピンによるアナログRGB出力、セカンダリコネクタがDVI-I出力となっており、これに加えてビデオ出力端子も用意される。こうした構成のため、アナログ+デジタル各1系統出力やアナログ2系統出力、さらにはテレビへの出力といった柔軟な出力設定が可能となる。ただし、同時に出力できるのは2系統までだ。また、8500LEではセカンダリコネクタが省略される。

 なお、ボード上にはハイビジョン出力やビデオキャプチャ機能までをもサポートするRAGE THEATERチップが搭載されているが、この製品の場合には単にテレビ出力用として利用される。

 ベンチマーク結果は興味深い。3DMark2001 SEでは、128MB版の8500に関しては、64MB版より高速ではあるものの、その差はわずかだ。一方、8500LEは64MB版(今回は同等品のTORICA VRD8500-64ATDVを使用)も、128MB版も、同容量の8500と比較して、コアクロックを反映した程度のパフォーマンスしか出ていない。しかし、Quake III Arena Demoでのパフォーマンスの伸びは目覚ましい。これは、テクスチャキャッシュ用などとして利用できるメモリが増えたことの恩恵であろう。

 ベンチマークの数字だけを見れば、さすがにGeForce 4 Ti 4600/4400に届かないとはいえ、これらよりも大幅に安価でありながら、Pixel Shader 1.4をサポートしていることは、大きなアドバンテージだ。ミドルレンジのビデオカードとしては非常に魅力的な製品である。

【ベンチマーク結果】
3DMark2001 SE 1,024×768ドット 1,280×1,024ドット 1,600×1,200ドット
ATI RADEON 8500(128MB) 8,199 6,798 5,463
ATI RADEON 8500LE(128MB) 7,791 6,271 5,077
ATI RADEON 8500(64MB) 8,144 6,358 5,369
TORICA VDR8500-64TDV(64MB) 7,398 5,794 4,410
ABIT SILURO GF4 Ti4600 9,417 8,111 6,813
ABIT SILURO GF4 Ti4400 8,904 7,817 6,347
Quake III Arena Demo 1,024×768ドット 1,280×1,024ドット 1,600×1,200ドット
ATI RADEON 8500(128MB) 161.9 140.4 105.9
ATI RADEON 8500LE(128MB) 159.4 131.1 96.6
ATI RADEON 8500(64MB) 129.9 118.8 95.1
TORICA VDR8500-64TDV(64MB) 129.0 114.0 87.3
ABIT SILURO GF4 Ti4600 192.4 173.5 151.2
ABIT SILURO GF4 Ti4400 187.4 166.6 126.9
テスト環境 CPU:Pentium 4 2.0AGHz、マザーボード:Intel D845BG、メモリ:PC2100 DDR SDRAM(CL=3)、HDD:Quantum Fireball-Plus AS(40GB)、OS:Windows 2000 SP2(DirectX 8.1インストール)、Vsync:OFF


・問い合わせ先:ATIテクノロジーズジャパン株式会社
・TEL:03-5275-2786
・URL:http://www.ati.com/jp/

・製品名:RADEON 8500
・標準価格:オープン(実売40,000円前後)
・ビデオチップ:RADEON 8500
・ビデオメモリ:128MB DDR SDRAM
・最大解像度:2,048×1,536ドット/1,677万色
・インターフェイス:D-Sub15ピン、DVI-I×1、S-VIDEO OUT×1
・対応OS:Windows XP/Me/98 SE/2000

・製品名:RADEON 8500LE
・標準価格:オープン(実売28,000円前後)
・ビデオチップ:RADEON 8500LE
・ビデオメモリ:128MB DDR SDRAM
・最大解像度:2,048×1,536ドット/1,677万色
・インターフェイス:D-Sub15ピン、S-VIDEO OUT×1
・対応OS:Windows XP/Me/98 SE/2000

■写真撮影
若林直樹(STUDIO海童)

□ATIテクノロジーズジャパンのホームページ
http://www.ati.com/jp/
□製品情報
http://www.ati.com/jp/products/pc/radeon_8500/

(2002年5月10日)


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